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NO. 334

これが本当の最後のチャンスか?

2025年2月

 前回の「今日も元気で(333)」(令和6年10月)で、平成9年度から19年度生まれの女性の子宮頸がんワクチン接種について、令和7年3月末までに3回の接種が最後のチャンスと書きました。

が、その後、さらにチャンスが広がりました。

 令和7年3月31日までに1回でも接種を受けていれば、令和8年3月31日まで、その後の接種を受けることができるようになりました。

 厚生労働省は、子宮頸がんワクチンを広めるために、色んな施策をしてきましたが、今回が、本当の最後のチャンスだと思います。

【日本では毎年、約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人の女性が子宮頸がんで亡くなっています。

 また、若い年齢層で発症する割合が比較的高いがんです。患者さんは20歳代から増え始めて、30歳代までにがんの治療で子宮を失ってしまう(妊娠できなくなってしまう)人も、1年間に約1000人います。(厚生労働省)】

 また、ワクチン接種後に報告された症状について、副反応が否定できなかったために、厚生労働省は令和3年まで、積極的に子宮頸がんワクチンの接種を勧める取り組みを一時的に差し控えていました。これが、接種率が低かった最大の原因ですが、世界では、珍しい現象になっていました。

【令和3(2021)年11月の専門家の会議で、安全性について特段の懸念が認められないことがあらためて確認され、接種による有効性が副反応のリスクを明らかに上回ると認められたことから、個別に接種をお勧めする取組を再開することになりました。(厚生労働省)】とあります。

 一生のうち、75人の女性のうち2人が子宮頸がんを発症しています。そして、子宮頸がんを発症した人の4人に1人が亡くなっています。ワクチンで、すべての子宮頸がんを予防できるわけではありませんが、80〜90%は防ぐことができるとされています。そして、ワクチンを受けても、子宮頸がん検診により早期に発見して、早期治療することも重要です。

 小学校6年生から高校1年生相当の女性への子宮頸がんワクチンは、定期接種として、続いています。この年代の女性も忘れずに、期間内に受けてください。

 3回のワクチンを自費ですると数万円が掛かります。来年3月まで、平成9年度から19年度生まれの女性は、公費で受けることができます。近くに、この年代の女性がおられましたら、勧めてください。

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