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NO. 327

新型コロナウイルス感染症(21)

2024年2月

お母さん:「昨晩、38度まで出たんです。今朝からは、熱もなく元気なんですがね。」

私:「喉が少し赤い程度ですが、一応、コロナの検査をしましょう。・・・・

  コロナですね。」

お母さん:「エー! 本当ですか。こんなに元気なのに。どこから飛んできたんでしょうか。」

 最近、この様な会話が結構あります。少し落ち着いてきていますが、今年に入って新型コロナ感染症の第10波がありました。結構大きな波で、1月の末頃がピークであったようです。

 幸い、子どもの症状は、軽いようです。1歳までの乳児が罹っても、多くの場合はインフルエンザより楽に経過しています。

 年末から、新型コロナは新しい株(JN.1系統)に置き換わっていました。この新しい株は、上記の様に、重症化することは少ないようですが、専門家は、まだ新しい株について詳しいことがわかっておらず、注意が必要としています。

 一つ言えることは、どうも、感染しやすいようです。症状があまり出ないので“ 私たちが、知らないうちに感染し、知らないうちに広げている ”のか、JN.1が上手く人間の防御(免疫)から逃れているのかでしょう。(人間を強く痛めつけないのもウイルスの生き延びる手段ではあります。)

 また、アメリカでは5日間の隔離生活を推奨してきましたが、今後は24時間解熱していれば、通常の生活をしましょうとなるようです。日本でもアメリカ同じようになってほしいと思います。

 4年余り世界中を騒がせ、大きな被害をもたらした新型コロナウイルスですが、そろそろ人類と仲良く共生をしようと思っているのでしょう。その為に、弱毒化しているのだと、期待しています。

 聴診器を見ると、鼻を抑える子どもが多くいます。4年前には無かった風景です。4年前までは普通の風邪としてのコロナウイルスはありました。特に、検査もせずに過ごしてきました。そこに、新型コロナが出現、当初は、重症の肺炎で亡くなることが多くあり、恐れられました。

 そろそろ、新型コロナの“新型”の冠を外して、今までのコロナウイルスの仲間に入れてあげてもいいのではないでしょうか。その為には、JN.1がもっと優しくなって、静かにしていてくれるか、新しい株が流行しても、JN.1より弱毒株である必要があります。

 「どうか新型コロナさんお願いします。」と手を合わせるしかありません。

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