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NO.325

インフルエンザ警報

2023年11月

 12月1日に、「岡山県インフルエンザ警報」が発令されました。一医療機関からのインフルエンザ患者数の報告が、1週間に30人以上になると警報が出ます。

 前回にインフルエンザ警報が発令されたのは、5年前の2019年の1月です。その間、2019年12月から始まった新型コロナの流行がありましたから、インフルエンザは、影を潜めていました。

 インフルエンザ警報発令は、多くの場合、1月から2月です。通常は年明けからインフルエンザの流行が本格的になるのです。今回のように11月末からピークを迎えるのは珍しいことで、前回の「11月のインフルエンザ警報」が発令されたのは2009年です。この年は、新型インフルエンザの年でした。メキシコ及び北米を中心に発生し、その後世界各国に広がりました。

 インフルエンザの流行は4年間ありませんでした。子ども達にとっては、生まれて初めてのインフルエンザであり、正に新型インフルエンザであります。

 今年の警報が、前回の新型インフルエンザ(2009年)の警報発令と同時期であり、今後のインフルエンザの動向が前回の新型インフルエンザから推測できるかと思い調べてみました。

 患者数が5人を超え注意報が発令されたのは2009年第42週(1月1日から第1週が始まります。第42週は10月中旬となります)、警報発令が第46週、第53週には10に減少し、2010年第8週(2月下旬)にはほぼ収束しています。

 今年は、第39週に注意報発令、第47週に警報発令です。そこで、私の無責任な予想ですが、「これから1週間でピークとなり、2024年1月初めには警報は解除され、2月の末にはほぼ収束している。」です。例年より1〜2か月前倒しのインフルエンザの流行です?

 警報発令の現在、どうすべきかですが、やはり、「予防接種を受けましょう」です。特に、乳幼児はインフルエンザを経験していません、免疫がありません。重症化予防のためにも予防接種です。まだ、遅くはないと思います。

 また、今年のインフルエンザは軽症が多い印象ですが、すでに、A型インフルエンザに2回罹った子どももいます。1回インフルエンザに罹った子どもにも、予防接種を勧めています。そして、シーズンの後半にはB型インフルエンザの流行もあります。

 地球上で一番小さな生物が、「ウイルス」です。そして、地球上で“一番かしこそう”なのが人類ですが、「ウイルス」をやっつけることはできません。ワクチンを受けて“どうか、私のところには来ないでください”とウイルスにお願いするしかありません。

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