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NO. 321

感染症爆発

2023年7月

 全国のニュースでも伝えられていますが、子ども達に、いろんな感染症が起こっています。新型コロナ感染症が2019年の12月に始まって以来、多くの感染対策が行われたためか、特に子ども達の間では、新型コロナウイルス以外の感染症が、強く抑えられていました。

 特に2020年以降に生まれてこども達は、この3年間、ウイルス感染症から守られて生活してきましたから、いわゆる、ウイルスに対する免疫が出来ることなく育っています。これから暫くは、ウイルスの嵐にさらされると思います。

 今年の春から外来で経験した主にウイルス感染症です。

@ 消化器感染症:ノロウイルス、その他の感染性胃腸炎
 特に、ノロウイルスの下痢は、厳しく、頻回に長期間続くようです。

A 主に上気道炎:新型コロナ、インフルエンザ、ヘルパンギーナ、手足口病、溶連菌感染症(細菌感染です)、アデノウイルス、その他の扁桃炎
 新型コロナもまだまだあるようです。これからも要注意です。

 ヘルパンギーナと手足口病はいろんなウイルスで発症します。また同じウイルスが手足口病の症状であったり、ヘルパンギーナとなることもあります。

 ヘルパンギーナの症状は主に口内炎と発熱です。手足に発疹が出れば手足口病となります。手足口病ではヘルパンギーナほどの熱は出ないようです。特に、手足口病はウイルスの種類により皮疹の出る場所と大きさなどが異なるようです。どちらも、子ども達を苦しめるのは口内炎です。元気になれば、皮疹などがあっても集団生活は可能です。

B 主に下気道炎:RSウイルス感染症、パラインフルエンザ3型、その他の気管支炎

 高熱とゼイゼイなる気管支炎も流行しています。診療所で診断をつけることが出来るのは、RSウイルスとヒトメタニューモウイルスまでですが、RSウイルスが結構あるようです。乳児が罹ると重症化しますから最要注意です。また、パラインフルエンザ3型というウイルスも最近あります。インフルエンザとは異なるウイルスです。重症の気管支肺炎になるようです。診断は、特別な検査が必要ですから、大きな病院(津山中央病院など)でないとできません。

 大人になるまで150前後の感染を経験すると言われています。新型コロナ3年間の感染空白期間の帳尻をどこかで合わせる必要があります。特に3歳までの子どもには、感染症爆発が続くと思います。予防接種で防げる感染症は、しっかり防いでください。

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