松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ

NO. 315

明けましておめでとうございます

2023年1月

 明けましておめでとうございます。今年ほどに、平和を思い、平和を祈願された新年はないのではないでしょうか。子ども達がゆっくり眠れる夜を、一刻も早くお願いします。

 日本では2020年に発刊され、多くの購読者を得た「スマホ脳」(2020年11月20日;新潮社発行)を紹介いたします。(もう読まれた方は多いかと思いますが)

 スウェーデンの精神科医アンデシュ・ハンセンの本です。精神的不調で受診する大人が増えている、特にスウェーデンでは大人の9人に1人が抗うつ剤を服用している。これは多分にスマホの影響だろう、そしてスマホの人類への影響、とくに子どもへの影響について書いています。

 第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである    

 では、「IT企業トップは子どもにスマホを与えない」として、アップル社の創業者スティーブ・ジョブズやマイクロソフト創業者のビル・ゲイツなどが自分の子どもにiPADやスマホを与えなかったとしています。

 第7章 バカになっていく子どもたち    

  と衝撃的な題のついた章では、「子どものスマホ依存」、「アルコールは禁止するのに」(スマホは禁止しない)、「幼児には向かないタブレット学習」、「学校でのスマホ‐敵か味方か?」、「スマホ追放で成績アップ」、「若者はどんどん眠れなくなっている」、「若者の精神不調が急増している」など、多くの研究結果から、スマホの子どもへの負の影響について論じています。

 第8章 運動というスマートな対抗策

  「少しの運動でも効果的」として、一日1回5分ほど体を動かすだけで集中力が増し、「子どもでも大人でも、運動がストレスを予防する」としています。

 人類は、20万年前に新人類として登場して以来、猟や、逆に猛獣を避けるために集中力と体力を培ってきました。人類の脳は20万年の間に運動と集中力を関連付けて発達したのです。それが、体を動かさずに毎日、何時間もスマホなどのスクリーンの前に座っていたら、集中力はどんどん低下しストレスも溜まってくるのは当然です。

 最後に「デジタル時代のアドバイス」の一部を、“スクリーンタイムを制限し、代わりに別のことをしよう(これが出来ればすべて解決ですが)”、“(子どもへの)よい手本なろう”、“スマホを寝室に置かない”“スマホの表示をモノクロに”“どんな運動も脳には良い”などです。

 一度、本書を手に取ってみてください。子どものスクリーンタイムが少しでも減ればと思います。

松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ