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NO. 314
新型コロナウイルス感染症(19)
“コロナにかかったらどーなる?”
2022年11月
「5〜11歳の健康な子どもへのワクチン接種は12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義があると考えています」
(2022年1月19日)
「日本小児科学会は、生後 6 か月以上 5 歳未満のすべての小児に新型コロナワクチン接種を推奨します。」
(2022年11月2日)
1月19日の考え方は、今年の春、5〜11歳への新型コロナワクチン接種が始まったときの日本小児科会の考え方でした。当時は小児の感染が少なく、新型コロナ感染症で亡くなった10歳未満の子供は0例で、10歳代は3例でした。その為でしょうか、小児科学会の考え方は「ワクチン接種は意義がある」と、比較的消極的であったと思います。
今回、生後6ヶ月から5歳未満への接種が、開始されるにあったって、小児科学会は、「ワクチン接種を推奨します」と積極的な考え方となりました。
考え方の変化の要因として、
*オミクロン株の流行に伴って、子どもの患者の急増があったこと。
*急増に伴い、小児に特有なクループ症候群や、熱性けいれんを合併する子どもが増えたこと。
*さらに、子どもの死亡例が増えたこと。
などがあります。
最後の、子どもの死亡例ですが、今年の1月から8月までに、20歳未満で、明らかに新型コロナウイルス感染による死亡例が29例報告されています。
*14例が5歳未満で、ワクチン接種の対象年齢ではありませんでした。
*15例は、ワクチン接種の対象年齢でしたが、13例は接種していませんでした。そして接種した2例とも最終接種から3ヶ月以上経過していました。
結局、死亡例29例のうち27例はワクチン未接種であり、接種した2例もワクチン接種後3ヶ月経過しており、ワクチンの効果が十分ではなかったと考えられます。
5〜11歳のワクチン接種率は20%前後です。12歳以上の2回目の接種率に比べると4分の1程度です。厚労省は9月から5〜11歳も接種は「努力義務」としましたが、接種率の増加はあまりありません。
この数日、子どもたちの間でも、新型コロナ感染が増加傾向にあるようです。第8波の始まりでしょうか。
11月から、津山市でも、生後6ヶ月から5歳未満への新型コロナワクチンが開始されます。重症化を防ぐため、そして、何より死亡例を無くすために、子供たちへの新型コロナワクチン接種を考えてください。
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