松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ

NO. 299

新型コロナウイルス感染症 ]II
12歳以上の小児への新型コロナウイルスワクチン接種

2021年8月

 新型コロナウイルス感染症の第5波が始まり、各地で感染者数の更新を続けています。そして、若年層での感染者の多いこと、比較的に軽症者の多いことが注目されています。

 これまでの波とは、明らかに異なる模様です。

 コロナウイルス株の変異が続いていますが、私は、コロナウイルスも、そろそろ、人類との共生を考えて始めていると思います。ウイルスは、自分が生きていくため・増殖するためには、宿主である人類が必要です。多くのウイルスは人類と仲良くするために変異を繰り返します。新型コロナウイルスも人類との共生をするために変異をしているのです。(私の、極めて個人的な意見です。)

 そして、人類が新型コロナウイルスとの共生をする手段は予防接種であります。予防接種は、種痘を発見したジェンナーの「人類への贈り物」とされています。予防接種で感染しない、感染しても発症しない・軽症で回復するのです。

 6月1日から、ファイザー社コロナウイルスワクチンの対象者が、今までの

 「16歳以上の者」から「12歳以上の者」へと変更されました。

 12歳以上の皆さんにもワクチン接種券が届いていると思います。そして、「接種しようか、やめようか」と迷っていると思います。

 日本小児科学会では下記の、ワクチン接種に対する「考え方」を発表しています。

  • 子どもを新型コロナウイルス感染から守るためには、周囲の成人への新型コロナワクチン接種が重要です。
  • 重篤な基礎疾患のある子どもへのワクチン接種により、新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐことが期待されます。
  • 健康な子どもへのワクチン接種には、メリット(感染拡大予防等)とデメリット(副反応等)を本人と養育者が十分理解し、接種前・中・後にきめ細やかな対応が必要です。

 そして、重篤な基礎疾患のある子どもでは、感染による重症化が危惧されるので、ワクチン接種がそれを防ぐことが期待されます。また、12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種は意義があると考えています。

 ワクチン接種後の発熱、倦怠感、頭痛、悪寒、接種部位の疼痛などの副反応の多くは数日で自然軽快することが分かっています。また、心筋炎などのまれに起こりうる疾患も比較的軽症であることが多く、実際に新型コロナウイルスに罹患した場合のデメリットよりもワクチンを接種するメリットが上回ると考えられます。

と日本小児科学会は「考え」ています。

松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ