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NO. 290

新型コロナウイルス感染症 Z

2020年11月

 イギリス、フランスなどのヨーロッパの国々では、コロナウイルスが再び猛威を振るっており、両国でのロックダウン(都市封鎖)が計画されています。

 日本でも、コロナ患者数は、8月の2回目の山から10月までは、下降傾向でしたが、10月に入って、緩やかな上昇のカーブを描きだしました。そして、4月、8月の山の麓(ふもと)、つまり山の始まりの患者数に比べて今回の患者数は、比較にならないほどの多さです。“4月の1回目の山頂より高い麓”の状況で、少しずつ増加しています。

 これまでにない大流行の始まりでしょうか。どのような山が待ち受けているか、誰にもわかりません。「ポンペイ最後の日」のヴェスヴィオ火山の噴火とならなければと思います。

 しかし、良いニュースもあります。第一に、致死率の減少があります。5月までは、7.2%の致死率が、8月には0.9%となっています。減ったとはいっても、100人が罹れば一人の方が亡くなる、大変な病気ではありますが、致死率は減少しています。若い人の感染が多くなったこともありますが、治療法がかなり分かってきたようです。治療法と言っても、タミフルとインフルエンザの関係のように、コロナに直接、効く薬はまだないのですが、これまでに他の病気に使われていた薬を組み合わせ、工夫しながら使用しているようです。そして、確実に治療効果は上がってきています。

 もう一つは、マスクと手洗いの重要性が、再確認されていることでしょうか。

 まじめな日本人には、最近は、あまり苦にならなくなりました。そして、マスクをうっかり忘れてしまうことも少なくなりました。どこへ行っても、アルコール消毒のスプレーは目にします。また、お店の入り口には、マスクの絵が必ずあります。

 そして、日本発の「3つの密を避けましょう」です。密閉・密集・密接ですが、世界保健機構(WHO)が、英語版の日本発ポスターを作成しています。全世界に、

 三つの輪が重なった「3つの密(英語版では“3Cs”となっていますが)を避けましょう」が貼られているのです。

 どんな山が待ち受けているのでしょうか。富士山なのか、大山なのか、グリーンヒルズでしょうか。我々に出来ることは、「コロナを正しく恐れる」、「マスクと手洗い」、「3つの密を避ける」の基本に戻って、これからの季節を乗り越えていくことだと思います。まず、マスクと手洗いです。

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