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NO. 283

新型コロナウイルス感染症 V

新型コロナウイルス感染症との闘い

2020年4月

 新型コロナウイルス感染症との、闘いが続いています。日本では、3月30日午前7時現在に、1866人の感染者であり、54名の方が亡くなられています。世界では3月29日の時点で、632430人の感染者と、29898人の死亡者であります。

 10年前の、2009年の新型インフルエンザの流行の時には、全世界で28万人、日本で203人の死亡者が出ています。そして、100年前の1918年から1919年のスペイン風邪(新型インフルエンザです)では、全世界で5000万人から1億人の、日本では39万人の死亡者です。

 今回の新型コロナウイルスが、10年振りの新型感染症までで終わるのか、100年に一度の新型感染症になるかです。

 新型とは、そのウイルスに免疫(抵抗力)のある人類がいないことを意味します。それまで、人間の誰もが合ったことのないウイルスの人間界への登場です。新型ウイルスの多くは、人間に感染する前は、人間以外の動物と共生しています。動物の体の中で生きていたウイルスが、何かのはずみで、人間に住み着くようになるのです。

 人類もウイルスも、初対面ですから、一緒に生きていける(共生できる)か、ウイルスが勝つか、人類が勝つか、の瀬戸際です。

 ウイルスに負けるわけにはいきませんから、ウイルスに勝つか、ウイルスと共生するかです。

 これまで、人類がウイルスに勝てたのは、天然痘ウイルスだけであると思います。天然痘ウイルスは、ラクダから人間に感染したウイルスが、人間にしか感染しないウイルスに変化したといわれています。天然痘のワクチン(種痘)で人間が天然痘ウイルスに罹らなくなったので、生きていけるところが無くなった天然痘ウイルスは消滅してしまいました。

 今回の新型コロナウイルスは動物にも感染しているようですので、天然痘ウイルスのように、地球上から完全に排除することは出来ません。つまり、ウイルスと共生するしかないのです。これまで、人類は多くの犠牲をはらい、多くのウイルスと共生してきました。

 ウイルスとの共生の方法は、現在では、2つしかないと思います。ウイルスに感染して免疫をつけるか、ワクチンで免疫をつけるかです。

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