NO. 270 見えるためには 平成31年3月 生まれたばかりの赤ちゃんの視力は約0.02と言われています。それが、6歳頃には大人とほぼ等しい視力まで発達します。大人と同じように見えるために、赤ちゃんの目と頭の中でどのような過程があるのでしょうか。そして、子どもの目の発達には何が重要であるかを考えたいと思います。 まず、見えるためには、目に入った像が、網膜の上に綺麗に保存されなくてはなりません。網膜はフィルムカメラ(昔のカメラです)ではフィルムであり、デジタルカメラではメモリカードになります。そして、写真やモニターの役割が、大脳の視覚野です。大脳の後方下部にあります。ここで、見えていると自覚します。 眼球はカメラであり、フィルムまたはメモリカードである網膜に景色の情報を正確にインプットする働きがあります。 眼球は、16歳になるまでに、大人の大きさの約25oとなります。直径で約6o大きくなるのです。この間に、子どもの眼球は、網膜に正確な像を描くために苦労をしています。あまり近くばかり見ていると、眼球に負担となり、眼球の前後軸が長くなります。前後軸が長くなると将来、近視となります。 最近、赤ちゃんにスマフォの画面を目の前で見せているおかあさんがいます。お兄ちゃん達も、スマフォのゲームを目の前で遊んでいます。30cmは離して見るようにしてください。近視の原因となります。 フィルイムの現像機やモニター役の大脳視覚野の能力は6歳頃までに大人とほぼ等しくなります。眼球から視神経を経由して視覚的刺激を受け続けることで、大脳視覚野の解像力が向上し、視力が発達します。目が覆われていて刺激が無かったり、遠視や近視などでピンボケの刺激しか届かなかったら、大脳視覚野の機能が悪く弱視となります。大脳視覚野の機能は6歳を過ぎると修復が難しくなります。極端に近くで見ていないか、斜視がないか、目を細めてみていないかなど気をつけてあげてください。 乳幼児のスマフォは止めましょう。目にも悪いです。そして、正しい姿勢で、適度な明るさで、30p以上離して見ましょう。屋外の運動、遠くを眺めること、そして、規則正しい生活“早寝早起き朝ごはん”も目にはいいようです。 そして、6歳までは、視力の発達に特に重要な時期です。「この子ちゃんと見えてるかな?」と思ったら医療機関に相談して下さい。 |