松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ

NO. 262

緑たばこ病+小児労働

平成30年7月

小児労働

 上の写真は、インドネシアのたばこ農場で働く子どもたちです。

 緑たばこ病+小児労働で検索すると、この写真の載った記事が出ます。インドネシアでは何千人のも子どもが、一部はわずか8歳の若さでたばこ農場の有害な環境下に置かれて働いています。

 子どもたちは、生のたばこの葉に触って束ねる仕事をしていますから、一日30本以上分のたばこを吸っていると同じニコチンが皮膚を通して体内に入っているそうです。

 子どもたちは、頭痛・めまい・ひざ痛・発熱・嘔吐などの症状を訴えています。これを、生のたばこの葉による、ニコチンの急性中毒“緑たばこ病”と言います。子どもたちは、“緑たばこ病”の症状を繰り返しながら働いています。時給は数円から数十円だそうです。

 日本で消費されるたばこ製品の8割以上が海外産の葉たばこに由来しています。ブラジル・アメリカ・タイ・ベトナム・ジンバブエが主な輸入先となっています。アメリカでもたばこ農場での小児労働が問題となっています。危険な労働環境と安い賃金の小児労働で生産されている“たばこ”を日本の大人が吸っている可能性があります。

 我々は、たばこ税の恩恵を受けています。そして、日本たばこ産業は大きな利益を出し、テレビでは多くの番組のスポンサーとなっています。

 受動喫煙対策の法律では、たばこを吸う場所・環境について議論されていますが、

 もう一つ、日本のたばこがどこから来ているのか、“子どもたちの危険で安い労働から日本のたばこが成り立っていないのか”を小児科医としては考えてほしいと思います。

松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ