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NO. 257

ざんねんないきのも辞典

平成30年2月

 最近、少し話題の本「ざんねんないきもの辞典:今泉忠明監修(高橋書店発行)」からです。動物たちの少し悲しい物語がいろいろ載っていました。

 【ゾウの歯は、年を取るとすりへってなくなる】

 「ゾウには2本の長い牙(前歯)のほかに、奥歯が上下に12本ずつあります。しかし奥歯はとても大きく、口の中には上下2本ずつしか生えていません。使っている歯がすりへると、ホッチキスの針のように次の歯が奥から水平に移動してきて、前の歯と入れかわるのです。そのため、ゾウの奥歯は、一生のうちに5回も生えかわります。

 しかしそれでも足りません。ゾウは植物食ですが、樹皮や小枝など、かたいものもよく食べます。しかも、1日に食べる量は200kg。このため60年ほどですべてすりへり、最後は何もたべられなくなって餓死するのです。」

 子ゾウを命がけでライオンから守る親ゾウの様子をテレビで見ることがあります。優しい親ゾウも、最後はお腹がすいて亡くなってしまうのですね。

 ゾウさんは歯が5回生えかわるそうですが、人間は1回だけです。子どもにとっては、乳歯のあとに生えかわってくる永久歯は一生モノです。虫歯にならないように、気を付けてあげて下さい。特に、甘いものやジュースをだらだらと食べないようにしてください。

 【チンパンジーがしゃべれないのは、のどの構造のせい】

 「チンパンジーは500万年前に人間と共通の祖先から分かれた動物です。とてもかしこく、手話で人間と話すこともできます。

 しかし、人間のように言葉をしゃべることはできません。なぜならチンパンジーは口で呼吸ができないからです。口呼吸ができるのは、ほ乳類のなかでも人間だけ。イヌがハアハアするのも、じつは体温を下げるためなのです。

 チンパンジーは人間のように口から出す息の量を調節できないため、細かい発音の使い分けをまねできません。これは脳の進化にのどが追いついていない、ひじょうにおしい状態といえます。」

 人間の赤ちゃんも、生まれてしばらくは口呼吸は出来ません。それが、生後6カ月ごろを過ぎると「あう」とか「ばぶ」などの喃語を発するようになります。口呼吸でことばを作りだします。

 お母さんが赤ちゃんに話しかけてあげれば、赤ちゃんもおしゃべりの練習で「あう、あう」と、よろこんで喃語で返事をしてくれます。赤ちゃんに沢山、ゆっくりと話をしてあげて下さい。

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