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NO. 254

成人の肥満予防には3歳のBMI

平成29年10月

 3歳の子どもには戻れない

 成人の方には残念な話ですが、今回は、肥満予防についてです。
 小学校の健診に行くと、ポッチャリした子供たちが増えている様な気がします。小学校になると、食生活の習慣を変えるのは、なかなか難しく、小学校入学前までの、肥満予防が大切です。

 まず、肥満の評価ですが、最近では、大人に使われるBMI(ボディマス指数)という指標が、子どもにも利用されます。BMIとは、体重を身長で2回割った数です。具体的には、身長170cm、体重65kgですと、

 65(kg)÷1.7(m)÷1.7(m) でBMIが22.5となります。

 大人ではBMI18.5〜25、乳幼児ではBMI15〜21が普通体重となります。

  3歳健診でのBMIが1歳6カ月のより増加していると、小学生以降での肥満のリスクが高いとされています。しかし、3歳健診でBMIが増加していても、小学入学前のBMIが低下していると、小学5年生での肥満のリスクが低下しています。

  子ども平均体重・身長から計算すると、1歳6カ月では身長81.3p・体重10.7kgでBMIは16.2、3歳では身長93.3p・体重13.6kgでBMIは15.6です。

 1歳6カ月に比べると3歳の子供は“お痩せさん”でいいのです。だから、逆に、3歳のBMIが1歳6カ月より増加していると、肥満の予備軍、要注意です。
 さらに、両親の肥満、朝食の欠食、不規則な間食(おやつ)摂取、長時間のテレビ視聴、短時間の睡眠が小中学生の肥満と関連するとされています。

 ではどうするか、

 *食時は規則正しく決まった時間に3回食べる

 *よく噛んでゆっくり食べる

 *ファーストフードは極力食べないようにする

 *ジュース、牛乳、スポーツドリンクからお茶、お水に替える

 *揚げるよりは焼く、炒めるよりは煮るで、油分を減らす

 *おじいちゃん、おばちゃんが世話をする場合、「いっぱい食べなさい」
  「食べさせないとかわいそう」「好きなものを食べなさい」はやめる

 などです。

 まずは、母子手帳で1歳6カ月と3歳の体重・身長からBMIを計算して、3歳で増えていれば、小学入学前までにBMIの低下を目指してください。

 3歳から6歳までが、成人の肥満予防の重要な時期です。

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