NO. 248 ブックスタート 平成29年4月 我が家には、四郎くんという豆柴犬がいます。ある時、お客さんが、「犬を飼ったことがないので、触り方が分からない。」と言われました。私は、捨てられていた犬を小学生の頃に飼ったことがあり、犬への接し方について(躾けは別ですが)、特段に考えたことがあまりありませんでしたので、お客さんの言葉に少し驚きました。そして、 お腹から出てきた赤ちゃんと、初めて顔を合わすお母さん、初めて育児をするお母さんのことを思いました。 「絵本遊びが親子関係の良い効果をもたらすのは本当か?」(ベビーサイエンスVol.16.2016)という論文に、お母さんと子どもの行動を観察した部分があったので紹介いたします。 「ブックスタート」は1992年にイギリスのバーミンガムで始められ事業で、乳児期の絵本遊びがのちの言語発達や就学時の学業成績の良い効果をもたらすことが分かったというものです。そして、この論文は、「ブックスタート」に科学的検証を試みたものです。 「絵本共有」と「おもちゃ」と「ツール無し遊び」の場面での母と生後9カ月の子どもの様子を観察しています。 子どもの行動に対して、母親の働きかけが最も多かったのは「ツール無しの遊び」でした、そして同じほどに多かったのは「絵本共有」の場面で、「おもちゃ」で遊んでいる場面ではお母さんの子供への反応は少なかったようです。 「おもちゃ」遊びは、親子関係の構築には不利なようですが、創造性や空間認知能力など他の発達側面が促進されるとしています。また、母親が疲れたと最も感じたのは「ツール無しの遊び」で「絵本共有」「おもちゃ」と続きます。 子どもは、お母さんと遊びたくて、いろんな信号を送っています。それに応えてあげるとが、愛着形成に大切だとされています。 この研究では、「ツール無しの遊び」が愛着形成にはベストのようですが、 「筆者としては、日々の生活のなかにはさまざまな遊びがバランスよく混ざっている状態が一番望ましいと考えている。」としています。 ベストな「ツール無しの遊び」だけでは、疲れてしまいます。「ブックスタート」から始まる「絵本」の力を借りて育児に望みましょう、そして、「おもちゃ」を利用しながら赤ちゃんと遊びましょう。しかし、スマフォ・ビデオなどのメデイアは、「大切な赤ちゃんからの信号」を受けることは出来ません。育児には使わないでください。 |