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NO. 231

「いじめがあったら僕に言ってね」

平成27年11月

 先日の読売新聞(平成27年10月3日)に、朝の通学路で、真っ赤な衣装のヒーロー姿に扮して、「いじめがあったら僕に言ってね」と小さなプラカードを持って、小学生たちに声をかけている小学5年生“小沢君”の記事がありました。昨年、突然、「僕がいじめをなくしたい」と父親に告げて、始めたそうです。

 10月27日に、文部科学省が、2014年のいじめ件数を18万8057件と発表しました。前年度より約2千件多くなったそうです。

 しかし、この18万8057件は再調査の数で、再調査のきっかけは、当初の調査では、今年7月に自殺した中学生がアンケートでいじめを訴えていたのに、その学校では認知していなかっことだそうです。そこで、文部科学省が調査のやり直しを求め、約3万件増えて、18万8057件となりました。

 小学生小沢君は身近には“いじめ”があったのでしょうか。いじめを見ていて、いても立ってもいられなくなっての行動でしょうか。そして、大人たちには、任せておけないと、思ったのでしょうか。全国の再調査の状況を見ると、そのように考えてしまいます。

 以前にも書きましたが、いじめ行為は、いじめを受けた子供の不登校につながります、そして不登校は引きこもりにつながり、その子の一生を左右します。いじめは、小さい芽のうちに摘み取らなければなりません。

 いじめは減らさなければなりませんが、いじめの認知件数が多いことは悪いことでないと思います。よりきめ細かな児童生徒への配慮がなされている証拠であるとも思います。

 「いじめを見たり聞いたりしたら、一人で解決しようとせず、すぐに担任などに伝えてほしい。全体で取り組むべき問題です」との小沢君の学校の校長先生の言葉がありました。是非とも、相談しやすい環境を作って頂いて、いじめの早期発見に努めて頂きたいと思います。

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