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NO. 229

「いじめ」の対応で子ども達がして欲しくなかったこと

平成27年9月

 前回、「いじめと虐待」として、いじめの早期発見の重要性について書きましたが、今回は、先日出席いたしました“「こどもの心」研修会”での講演「いじめ予防といじめ被害からの心理的回復支援」手代木理子先生(臨床心理士)の一部を紹介いたします。

 「いじめ」の対応で子ども達がして欲しくなかったこと

・性格を変えることを求められること
  「つよくなりなさい」「我慢しなさい」「そんなことでは社会に出られない」

・自分の問題だと置き換えられること
  「あなたの誤解」「考えすぎ」「あなたにも悪いことがある」

・大人が一方的に解決法を決めること

・早く学校に復帰することを求められること

・当事者同士の話し合いの場、和解の場を強制的に設定されること

・“もう解決したこと”と勝手に決められること
  「いつまでも同じこと言っているの」「もういい加減に忘れなさい」「早く気持ちを切り替えて」

 「いじめ」を受けた子どもへの対応として、まずは大人との関係が大切です。自分は孤立していない、そして、大人から理解され見守られているという安全感と安心感の保障をしてあげる事です。

 以前、いじめられる側にも一部問題があるのではとの意見がありました。そして、いじめをしている子どもに聞けばが、いじめられている子どもの「どこどこが悪いからだ」となります。これでは、子どもはますます心を固く閉ざしてしまいます。

 大人は、「いじめは絶対に許さない」という姿勢を貫き、表さなくてはなりません。いじめている子どもが、いじめられる側になることがあると聞きます。悪いのは、いじめている子どもでなく、いじめ行為なのです。いじめ行為に対しては、激しく大人が対応しなければなりません。

 「いじめ」を受けている子どもへ寄り添うとともに、「いじめは絶対に許さない」態度を示し、いじめをしている子どもには「いじめたくなる気持ちにまけるな」と強く指導することでしょう。

 「いじめ」を受けている子どもは、絶対に悪くないのです。

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