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NO. 225

おしりの“できもの”

平成27年5月

 お母さん:「先生、この子(7か月児)、おしりに“できのも”ができてるんです《

 私(どっちの“できもの”かな?):「おしりのどこのあたりですか? いつごろからですか? 触ると痛がりますか?《

 お母さん:「いつ頃だったかな。2~3週間前からあったような気がします。お尻の真ん中のあたりです。触ってもあまり痛がらないようです。《

 私(それなら、軽いほうかな、と思いながら):「それでは、見てみましょう。これはですね・・・・《と続きます。

 おむつをしている赤ちゃんの、おしりの“できもの”の代表的なものに1.肛門周囲膿瘊 と 2.肛門のスキンタグ があります。

 1.の肛門周囲膿瘊は、腸のなかから細菌がおしり周囲の皮膚の下に侵入してきて、“できもの”になります。深いところからの細菌感染です。肛門の横のあたりに赤く腫れた“できもの”で痛みがあり、機嫌が悪くなりますから、できたすぐに分かります。

 抗生物質を朊用したり、膿がたまって痛みがひどいときは切開します。完全に治るまで数カ月を要することもあります。

 2.は1.より、よくあります。タグとは“朊の垂れ飾り”とか“靴の後ろのつまみ”の部分のことで、皮膚が盛り上がって“ひだ”の様になることを言います。多く場合、時計でいえば、おしりの12時の部分にできます。触っても痛みは無く、いつの間にかできています。

 原因は、硬い便により、この部分が何回か切れたことによります。女の子に多いようです。

 外科的な手術などは必要なく、おしりが切れることを繰り返さなければ、数日で治るものではありませんが、だんだん小さくなります。

 便秘にならないように気を付けること、そして便が硬くて困るようであれば、便を柔らかくする薬をのむこともあります。


 どちらも、治るまで、長くかかる“できのも”です。おしりに“できもの”ができたら、一度、医療機関を受診してください。

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