NO. 205 蚊 平成25年7月 これからは、虫にいろいろと意地悪をされるシーズンです。刺されたり、血を吸われたり、毛虫の毒針攻撃を受けたりします。 今回は、刺して血を吸う“蚊”についてです。 “冬の間に蚊は何をしているのか”以前より疑問であったのですが、卵やボウフラの状態で水の中で静かにしているのではなく、成虫の状態で越冬をするそうです。秋の終りの頃に、蚊に刺されることがよくあるのですが、越冬の準備として栄養を蓄えているのでしょうか。そして、冬眠をしているのではないですから、真冬でも蚊に刺されることがあります。 「一緒に寝ているのに、この子だけ刺されるのです」とお母さんが話されます。 蚊は二酸化炭素の密度が高いところ、温度・湿度が高いところが好きです。子どもは、大人より少し体温が高く、皮膚はしっとりしてみずみずしいです。また、呼吸数は大人より多く、代謝も活発ですから、体から出る二酸化炭素は大人に比べて、体の割には多いと思われます。子どもには刺され易い条件が整っています。そうすると、“歳をとると蚊にも刺されなくなる”のでしょうか。 もう一つ“歳をとると”があります。 刺された後に赤くなるのはアレルギー反応です。その反応には2種類あります。刺されて直ぐに赤く腫れて、1~2時間で消失する反応で、即時型反応と言われます。もう一つは、遅延型反応と呼ばれ、刺された翌日から赤く痒くなります。水疱を形成したり、潰瘍となり数週間も続くことがあります。 アレルギー反応は、初めて刺されても起こりませんから、新生児のころには刺されても、赤くなったり腫れたりもしません。しかし、何度か刺されていると、アレルギー反応が現れて来ます。 はじめは、遅延型反応のみです。ですから、子どもは刺されたあとに、腫れがなかなか退かず、水疱になったりします。そして、だんだんと即時型反応が現れます。次に、即時型反応と遅延型反応が同居している状態から、即時型反応だけの時期が来ます。即時型反応だけになると、蚊にされても腫れはすぐに無くなります。大人は、一緒に寝ていて蚊に刺されても、朝には、刺された痕は影も形も無くなります。さらに、刺され続けていると、つまり“歳をとると”無反応になります。“歳をとると”刺されても、赤くも腫れもしなくなります。 しばらくは、蚊のシーズンです。子どもは、蚊に刺され易く、刺されるとひどくなります。草むらで遊ぶ時、寝る時には、薄い長そで・長ズボンでお願いします。そして蚊に刺されたら“まだ、まだ、若い”と思ってください。 |