NO. 204 タバコを食べた 平成25年6月 ニコチンの致死量は成人で40~60mg、小児で10~20mgです。 子どもではタバコ約1本が致死量とされています。 ところが、タバコの包装をみると、タバコ1本のニコチン量は0.1mg~2.3mgとあります。軽い(?)タバコ、例えばマイルドセブン・ワンならば、50本食べても致死量にならない事になります。 これは、違います!! 実は、タバコの包装に書かれているニコチン量とは、タバコを1分間に1回2秒だけ吸って、フィルターから2mmの長さまで吸い終えたときの、フィルターを通して出てくるニコチンの量です。つまり、タバコの煙のほんの一部の中に含まれるニコチンの量です。タバコ本体に含まれるニコチンの量はどのタバコも約30mgです。軽い・重たいの違いは、フィルターに開いている穴の数によります。沢山の穴が開いていたら吸うときに横から空気が入ってきてタバコの煙が薄まり、吸い込むニコチン量が減り、軽いタバコとなります。 子どもがタバコを食べてしまったら、軽いタバコだから安全、重たいから大変ではなく、どちらも大変です。 タバコを食べると、30分~4時間以内には症状が出現します。通常は嘔吐することが多く重篤な症状が現れることはまれです。 しかし、タバコを浸出液、例えば吸い殻の代わりに使っていた空き缶の水を飲んでしまうと、高濃度の場合には5分以内に死亡するとされています。タバコの溶けた液は大変危険です。 タバコを食べたときに、水を飲ませると、逆にニコチンが多く溶け出して、吸収が促進される危険があります。タバコを食べたからといって慌てて水や牛乳を飲ませるのは良くありません。 それでは、どうするかです。 *1/4本までならば、4時間は注意深く観察して、顔色が青くなったりぐったり、吐いたりしたら医療機関を受診して下さい。 *1/4本以上ならば、医療機関へ連絡するか、受診して下さい。 *タバコの浸出液を飲んだ場合には、すぐに受診して下さい。 そして *ジュースの空き缶を灰皿代わりに使用しないようにして下さい。危険です。 そして *「子どもの周りには、タバコがない。」 が一番です |