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NO. 203

平成25年度のヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチン

平成25年5月

平成25年度より、ヒブワクチン、小児肺炎球菌ワクチン(「ヒブと肺炎球菌」とします)子宮頚がんワクチンが定期接種となります。

平成23年より、「ヒブと肺炎球菌」には補助金が出ていましたので、津山市では、自己負担はなしで接種を受けられましたが、あくまで任意接種でしたので、制度の上では「ヒブと肺炎球菌」は仮免許運転の状態でした。補助金が廃止される心配がありましたが、定期接種になると本免許を取った事になり、よほどの事がない限り、中止されることは無く、公費の支給も安定してきます。

「ヒブと肺炎球菌」が導入された最大の目標は乳幼児の重症感染症の予防でした。特に、化膿性髄膜炎の予防が主な目的です。乳幼児の化膿性髄膜炎の主な原因菌はヒブワクチンで予防するインフルエンザ菌(冬に流行するインフルエンザウイルスとは違います)と、小児用肺炎球菌ワクチンで予防する肺炎球菌です。

化膿性髄膜炎は子どもの感染症のなかで、もっとも怖い感染症の一つです。亡くなることもあります、そして、命が助かったとしても後遺症を残すことが多くあります。 2年間の仮免許状態の「ヒブと肺炎球菌」の効果の報告が出てきています。 インフルエンザ菌による髄膜炎は、50%余り、肺炎球菌による髄膜炎は、25%減少しました。素晴らしい成果だと思います。

肺炎球菌ワクチンの効果がヒブワクチンに比べて悪いようですが、現在使用されている肺炎球菌ワクチンには7種類の肺炎球菌の型にしか対応してないのが原因の一つと考えられており、もっと多くの10種類、13種類の型を含むワクチンが承認される予定です。 また、中耳炎の原因に肺炎球菌が多いのですが、肺炎球菌による中耳炎が 1/4に減ったとの報告もあります。

肺炎球菌、インフルエンザ菌とも抗生物質が効きにくくなっています。抗生物質が効きにくい両菌の感染予防にも、「ヒブと肺炎球菌」が期待されます。

素晴らしい効果を見せてくれている「ヒブと肺炎球菌」ですが、接種を受けないと効果はありません。また、同時接種に不安を抱くお母さんもいらっしゃいますが、同時接種しないと医療機関を受診する回数も増え、感染症などをもらう可能性も増えてしまいます。やはり、同時接種が良いかと思います。

生後2か月を過ぎたら、なるべく早く、晴れて定期接種となった「ヒブと肺炎球菌」を受けてください。

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