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NO. 198

クラスⅢ食物アレルギーと喘息

平成24年11月

*クラス1食物アレルギー 「エビを食べて、じんましんが出る《

*クラスⅡ食物アレルギー 「白樺花粉へのアレルギーがあるから、 リンゴを食べて、じんましんが出る《

*クラスⅢ食物アレルギー 「小麦入りの石鹸を使いだして、それまで、 大丈夫だった、小麦を食べて、じんましんが出る《

小麦の含まれる石鹸で、小麦による食物アレルギーが発症して、社会問題となっていいます。小麦を食べても大丈夫だった人たちが、小麦を含む石鹸で顔を洗っていて、皮膚を経由して小麦のアレルギーになってしまい、小麦が食べれなくなってしまったのです。

これまで、食物アレルギーをクラスⅠとクラスⅡに分類することがありました。

クラスⅠ食物アレルギーは、例えば、エビを食べていて、消化管を経由して食物アレルギーを発症して、それまで大丈夫であったエビが食べれなくなることです。多くの食物アレルギーはこのパターンで発症します。

クラスⅡ食物アレルギーは、例えば、白樺花粉に対して、鼻の粘膜などを経由してアレルギーになった人が、リンゴを食べるとじんましんがでることです。

白樺の花粉とリンゴは全く関係なさそうですが、それぞれのたんぱく質の一部に似たような構造があるから、リンゴでじんましんが出るのです。クラスⅠ食物アレルギーと違い、リンゴを食べて消化管を経由して食物アレルギーを発症するのではなく、鼻の粘膜を経由してのアレルギーの発症です。花粉食物アレルギー症候群などと呼ばれています。

そして、新し考え方が、クラスⅢ食物アレルギーです。皮膚を通してアレルギーになるのです。本来、皮膚はバリアーですから、外から大きな分子の物質が入ってくることは少ないのですが、湿疹などで、皮膚が荒れていると、皮膚からいろんな物質が入ります。そして、皮膚を経由すると、特にアレルギーになりやすいとされています。

アトピー性皮膚炎で皮膚が荒れていると、皮膚を経由してのアレルギーが起こりやすく、ダニアレルギーが皮膚を経由して成立すると気管支喘息を発症してしまいます。アトピー性皮膚炎のある子供は、アレルギー体質があり、気管支喘息にもなりやすいですから、気管支喘息の発症予防にも、アトピー性皮膚炎はしっかり治療して、皮膚のバリアーを正常に保つことが大切です。

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