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NO. 196

風疹がはやっています

平成24年9月

今年は、8月15日までに、全国で1112人の風疹の患者さんが報告されています。昨年は1年間で371人でしたから、3倍以上の数です。男性(853人)が女性(259人)の3.3倍と、男性が多くなっています。

年齢は、男性が20~40代、女性が10~30台が多くを占めています。特に、女性のうち、出産年齢とされる年代(15~44歳)が約70%を占めており、風疹ウイルスがお腹の赤ちゃんに感染して先天性風疹症候群を発生することが心配されます。

岡山では、昨年は1人だけでしたが、今年は8月までに5人の発症があり、全員が男性でした。(岡山県感染症情報センターより)

風疹は、3~4日間の発熱と、発疹が主な症状で、まれに脳炎や血液の病気を合併することがありますが、基本的には軽い病気です。しかし、妊婦さんが感染すると、先天性風疹症候群(難聴、心疾患、白内障、そして精神や身体の発達が遅れるなどの障がいを持った赤ちゃん)の赤ちゃんが生まれることがあります。先天性風疹症候群の予防のために、風疹の予防接種があると言ってもいいくらいです。

男性の患者さんが多いのは、風疹ワクチンの定期接種が始まった頃は、中学生の女性のみが、学校で集団接種を受けていて、30~40代の男性は予防接種を受けていない可能性が高いからでしょうか。その後も、暫くは、「風疹の予防接種は女性が受けるもの」との考えが強く、風疹ワクチンの接種率は、最近ほど、高くはありませんでした。

2006年から、麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)が1歳児と小学校入学前1年間の幼児を対象に、定期接種として開始されました。また、2008年~2012年(今年が最後の年です)の5年間だけの定期接種として、中学1年生と高校3年生にMRワクチン接種が施行されています。

誕生日が1990年4月1日以前の方は、現在のMRワクチン予防接種の制度の恩恵を受けていません。22歳以上の方は、風疹に対する抵抗力が低い可能性があります。女性はもちろん、男性も家庭に風疹を持ち込まないために、風疹に対する抵抗力を持つ必要があります。

妊娠すると、産科で風疹の検査がありますから、お母さん方は、まず心配はありませんが、22歳以上で、まだ妊娠したことが無く、風疹に罹った記憶が無く、予防接種に関して不確かな方がいたら、医療機関で風疹に対する抵抗力の検査を受けるように勧めてください。

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