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NO. 192

“こどもの日”と“母の日”

平成24年5月

 日本で5月5日が、端午の節句として男の子の成長と健康を祝う日となったのは、武士の力が強くなった鎌倉時代といわれています。そして、1948年に祝日法で、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日」として“こどもの日”が祝日として制定されました。“子どもの日”は「母に感謝する日」でもあるようです。

 国連では、“児童の権利に関する条約”が1954年11月20日に採決されたので、11月20日を“子供の日”としています。各国にも独自の“こどもの日”があるのですが、何故か6月1日が多いようです。

 5月5日には、「子どもの数の減少」の記事が必ず新聞に載ります。平成24年4月1日の15歳未満の人口は1665万、31年連続の減少で、総人口に占める割合が13.0%だそうです。ちなみに、昭和25年(1950年)が35.4%、昭和55年に24.3%でした。昭和25年には3人に一人は子どもで、昭和55年には4人に一人、それが現在では8人に一人となります。今から60年前は、テレビゲームなど室内での遊びは少なかったですから、外では、そこら中で子どもたちの声が聞こえていたと思います。

 子供たちに関する数字に“乳児死亡率(出生1000人に対する1歳までの死亡数)”があります。国の公衆衛生や医療のレベルを表す数とされ、平成22年では2.3と世界一少なくなっています。日本の子供たちは世界一きれいで安全な国に住んでいるのですが、子供たちの自分に関する肯定感(自分は価値ある人間、自分に満足しているなど)は各国に比べてかなり低くなっています。自分に自信が無い、達成感が無い子供が多いのだと思います。子供の数の減少より、もっと深刻な問題だと思います。

 その理由には、いろいろあると思いますが、大人がその原因であることは確かです。一つには、大人が生き生きしていないから、子供たちに元気が無いのではないでしょうか。赤ちゃんは笑顔で社会に接し始めます。お母さん、お父さんが、元気でいつも笑顔ならば、子供も自分に対する肯定感が生まれるのではないでしょうか。

 5月の第2日曜日は、“母の日”です。“こどもの日”が「母に感謝する日」で、“母の日”には「こどもに感謝する日」として“多くの笑顔”をこどもに浴びせてください。

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