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NO. 191
「インフルエンザ」は長く、「おたふくかぜ」は短く
平成24年4月
学校保健安全法の一部の改正により、感染症で休んでいた期間の変更がありました。
これまでは、インフルエンザでは薬がよく効き、休む期間が短くなっていました。また、おたふくかぜでは元気なのになかなか集団生活が出来ないこともありました。今回、より現実的な対応が出来るように見直しがされました。
【インフルエンザ】
「解熱した後二日を経過するまで」となっていたのが「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日を経過するまで、ただし、幼稚園に通う幼児については、発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後三日を経過するまで」となりました。
インフルエンザの薬を飲むと、翌日には熱が下がることがあります。解熱した後二日を経過となると、3日間の休みだけで、発症後4日目には集団生活が可能でした。
しかし、発症後4日目での集団生活には子どもの健康状態を考えるとまだまだ不安がありました。そして、感染力が消失していないのに解熱してしまう状況もあり今回の改正となりました。
これからは、5日間はゆっくりと休むことになります。
【おたふくかぜ】
「耳下腺の腫脹が消失するまで」となっていたのが「耳下腺、顎下腺又は舌下腺の腫脹が発現した後五日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで」となりました。
おたふくかぜでは発症後は5日程度で感染力が弱まるようです。また、耳下腺や顎下腺の腫れが2週間程度残ることがあり、元気なのになかなか集団生活が出来ないことがよくありました。
これからは、腫れて5日間経過すると、集団性生活が可能となります。子どもたちとお母さんにとっては少し嬉しい改正です。しかし、おたふくかぜの合併症に、髄膜炎があります。発症後、解熱して一度元気になったころに髄膜炎が発症することがありますから、髄膜炎のことを考えると少し気になる改正です。しっかりと全身状態が良好になるまで休んでください。
その他、「百日咳」にも改正があり、「特有の咳が消失するまで」とあいまいな表現でありましたが、「特有の咳が消失するまで又は五日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで」となり、休み期間が短縮されるのではと思います。
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