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NO. 184

よだれとむし歯

平成23年 9月

 「この子、“よだれ”が多くて、“よだれかけ”が、すぐにベトベトになって困るんです。」とお母さん

 「良かったじゃあないですか。むし歯になりにくいですよ。」と私。

 唾液または“よだれ”は、口の中を清潔に保ってくれる、クリーナーです。むし歯菌(ミュタンス菌)からでる酸が歯を溶かしてしまうので、むし歯になるのですが、唾液はこの酸を中和して、むし歯を防いでいます。
 唾液の量が減るとむし歯になりやすくなります。また、口の中で唾液が届かないところにむし歯が出来ます。
 唾液は口をモグモグすると出てきます。安静にしていると唾液の量は減ります。そして、寝ている間、唾液はほとんど出なくなります。ですから、食べたり、飲んだりしてそのまま寝てしまうとむし歯になります。寝る前に、哺乳瓶でスポーツ飲料、ジュース類を飲ますのは最悪です。また、食べてすぐに歯みがきをすると、せっかく唾液が酸を中和しようとしているのに、邪魔をすることも言われています。食べて直後でなく、しばらくたってから、歯磨きをするほうが効果的なようです。
 前歯の上の方の歯には唾液が届きにくいですから、むし歯になりやすく前歯の下の歯の辺りは唾液がたまっていますからむし歯になりにくくなっています。
 歯が汚れていると、唾液がむし歯菌のいる歯の表面に届かなくなります。まずは、歯を清潔に保つことが大切です。さらに、むし歯菌は増殖して歯垢(しこう)を形成します。歯垢の部分の歯には唾液が届きませんから、むし歯菌の固まりである歯垢が出来ないように歯を清潔に保つことが、またまた、大切です。
 もう一つ、赤ちゃんのむし歯菌は、最も身近にいる、お母さんの口から伝わってくるとされています。お母さんも口の中を清潔に保ち、むし歯の治療をしておくことも大切です。

 “よだれ”が多く、“よだれかけ”も服も、すぐベトベトになるのは、赤ちゃんはむし歯菌を退治している、この子はむし歯になりにくいと思ってください。
  そして、口の中を清潔にする、寝る前は食べない、を大切にして下さい。

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