NO. 172 YONAKI(夜泣き) 平成22年 8月 親子一緒に寝る習慣が少ない欧米では、親は“夜泣き”に悩むことが少なく、日本語の“夜泣き”に対応する言葉は無いそうです。昔から、“子どもが宝”である日本では、“夜泣き石”や“夜泣き地蔵”などがあり、“夜泣き”に悩まされてきました。 睡眠には、レム睡眠とノンレム睡眠があります。レム睡眠のときには閉じている目がすばやく動いています(REM睡眠rapid eye movement)。この睡眠のときには夢を見ているようです。一方、ノンレム睡眠には日中に学習した事を記憶するためのプロセスが進んでいるそうです。睡眠中にはレム睡眠とノンレム睡眠が周期的に起こっています。 生後半年から2歳ぐらいまでは睡眠時間は13〜14時間で、その内40〜30%はレム睡眠です。50歳を超えると、睡眠時間は6時間前後となりレム睡眠は15%前後になります。子どもは寝ている間に、沢山の夢を見て、沢山の昼間に覚えた事を整理しているのです。大人になると、昼も夜も夢を見ることが少なくなるようです。 “夜泣き”は夢を見ているレム睡眠に起こるといわれています。レム睡眠は周期的にやってきますから、“夜泣き”も一晩に何回かは起きます。生後5〜7ヶ月に始まり、1歳ころをピークに2歳過ぎには減少するといわれています。 “夜泣き”でお母さんが疲れてきたら、欧米には“YONAKI”は無いのですから、欧米に習って、@添い寝を止める、A昼の離乳食がしっかり食べていたら夜間の授乳を止める(夜間の授乳をしていると赤ちゃんが決まった時間に泣き出すかもしれませんから)、B泣いても相手にしない、さらにC昼間の運動量をふやす、などが対策でしょうか。それでも、睡眠不足で悩まされるようでしたら、小児科で相談してください。 また、年齢一晩に1歳までで4回以上、3歳までで3回以上、3歳を過ぎても2回以上の“夜泣き”は治療が必要です。 10年前(平成12年1月)にも“三太の夜泣き”として愛犬三太クンの夜泣きについて書きました。最後のくくりはある本の中の文章、「親が我慢できるていどならば、気にしなければよい。たかが夜泣きくらいで、両親が疲れはててしまうことはない。あきらめて赤ちゃんにつきあう、あるいは居直って無視する。夜泣きは一生つづくものではない。」でした。 |