松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ

NO. 165

低出生体重児

平成22年 1月

 2010年、明けましておめでとうございます。津山では穏やかなお正月でした。昨年は新型インフルエンザの年でしたが、今年はどのような年になるのでしょうか。寅年、阪神タイガーズが優勝する年にはなりそうにはありませんが、何か日本中がビックリするような楽しいことが起こればいいですね。

 2010年の初めに最近、気になっていることを書きたいと思います。 赤ちゃんの健診で小さな赤ちゃんが多いような気がするのです。標準の−2SD以上(100人でだいたい小さい方から3人より大きければ)あれば、その赤ちゃんの成長には問題ないと考えられるのですが、そこまで小さくはないが、全体に体重、身長の少ない赤ちゃんが目につきます。

 2500g未満で生まれた赤ちゃんのことを低出生体重児と言います。以前は、未熟児と言っていました。私が小児科医になった30年前は、低出生体重児は生まれてくる赤ちゃんの5%前後の数でしたが、最近では10%近くになっています。実際に、小さな赤ちゃんが生まれてくる頻度が高くなっています。

 小さい事がすぐに病気と関連するわけではありませんが、病気になる確率は高くなります。特に最近では、低出生体重児は、将来、メタボリックシンドロームなどの成人病になり易いのではと言われています。

 低出生体重児の原因はあまりに多くて、ここで簡単には書けませんが、お母さんの妊娠中の「たばこ」・「アルコール」・「やせすぎ」は悪さをします。そして、これらの事は、防ぐことのできることですから、考えてほしいと思います。 

 いわゆる、受動喫煙もしっかりと悪さをします。「たばこ」は今年から値上がりするそうですから、お父さんにも止めてもらってください。おじいちゃんには「孫のためだから」とお願いすればいいでしょう。一日1箱で400円、365日で14600円です。毎月、おいしいものが食べれます。

 今から60年前の1950年に比べて、6歳の子どもの身長は8センチ高くなっていますが、これから40年後の2050年の子どもの身長が今より小さくなっていたら困ります。そうならない事を願いたいと思います。

 2010年、今年も、子供たちに沢山の良いことがありますように。

松尾小児科HPへ ≫ 「今日も元気で」topへ