NO.154
心臓移植 平成21年 2月 私の友人の友人のお子さんが、今回、アメリカで心臓移植を受けました。 経過は順調であるようです。 お子さんの元気な帰国をお祈りして下さい。 私たちの日常の生活・育児に、心臓移植が関係することは少ないのですが、今回は、この心臓移植について書きます。 世界で年間約350〜400例(18歳未満の子ども)の心臓移植が実施されています。日本の子供たちでは、この20年間(1988年1月1日〜2008年8月31日)に、国内で2例、海外で71例の心臓移植が行われています。近年では、ほとんどがアメリカで行われているようです。また、国内では年間に50人前後の子どもたちに心臓移植が必要でとされています。そうしますと、この20年間で約1000人の子供たちが心臓移植が必要であり、その中で72例ですから、約7%の子供が移植を受けることが出来たことになります。多くの子供たちは、心臓移植を受けることなく亡くなっています。 心臓移植を受けた子供達の病気の多くは心筋症といわれる疾患です。心臓の筋肉が異常に肥厚したり、筋肉の収縮する力が弱くて筋肉が薄っぺらになってしまう病気です。その次が、先天性心疾患の手術後となっています。 最近の統計では、心臓移植を受けた子供たちで、5年以上生存する確率が75%までになっています。移植しなければ、亡くなる子供たちが移植を受ければ4人に3人は助かることになります。 しかし、あまりのも多くの問題があります。 まず、心臓移植には、心臓を提供してくださるドナーが必要です。日本では15歳以下の子供はドナーになれません。その為、日本の子供たちは、海外でドナーを待つことになるのです。そして、日本の子どもが海外で心臓移植を受ければ、その国の子どもが心臓移植を受けるチャンスを奪うことになります。 次にお金の問題です。海外での移植では、日本の医療保険が利用できませんから医療費は高額のとなります。多くの場合には、募金で集めることになります。募金活動には本当に多くの献身的なボランティアの方たちの力が必要です。私の友人の場合にも多方面にわたる人たちの参加と協力がありました。 現在では、心臓移植は心疾患の最終的な治療であります。そして、現在の医療の限界もそこにあります。今後は、SFの世界の様ですが、永久的な人工心臓が開発されること、そして、今話題の「iPS細胞」が心臓を作り出すことを望みたいです。
今回は、硬い話でした。最後まで読んで頂きありがとうございました。 |