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NO. 139

小麦アレルギー

平成19年 11月

*小麦は全年齢で3番目に多い食物アレルギーの原因である
*小麦も特定原材料として、加工食品への表示義務がある
*アレルギーの検査の数値(小麦特異的IgE抗体価)が低くても強い全身のアレルギー症状を起こすことがある
*食物依存性運動誘発アナフィラキシーの原因として小麦が多い

 小麦は人間が最初に食料として育てた作物で、今から1万年以上前から食べていたようです。日本では2千年ほど昔の弥生時代に小麦を育てていました。
 近年では、食生活の欧米化により、コメの消費量が減少しているのに対して、小麦の消費は増加し、小麦アレルギーの頻度も高くなっています。
 また、小麦アレルギーの場合は、卵や牛乳と違いアレルギーの検査の数値が高くても症状の軽いことがあったり、逆に数値が高くても症状の出ないこともあります。小麦アレルギーの診断と治療は難しく患者さん個々の症状に応じて進めていく必要があります。

【除去するもの】

@ 小麦の加工品など
  パン、うどん、パスタ、麩、天ぷら、フライの衣、ムニエル、ケーキ、クッキーなど
A 小麦含有の調味料
  味噌、醤油、穀物酢、ケチャップなど

【代替するもの】
 他の雑穀粉(アワ、ヒエ、コメなど)やでん粉(コーンスターチ、片栗粉など)を使用した食品や、コメ味噌、米酢など

【食物依存性運動誘発アナフィラキシー】
 ややこしい名前ですが、ある特定の食物を食べて運動をすると、全身のアレルギー症状が出る病気です。不思議なことに、原因となる食物を食べても運動をしなければ症状は出ません。また、食べて4時間以上たてば大丈夫です。この病気の原因に小麦が多いのです。
 高学年に多く、乳幼児では稀です。「給食で“うどん”を食べて、昼の遊び時間に走って回っていたらジンマシンが出た」という場合にはこの病気の可能性があります。治療は、小麦を食べたら2〜4時間は運動をしないことです。

 

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