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NO.131

果物アレルギーと仮性アレルゲン

平成19年3月

 食物アレルギーといえば、子どもでは“たまご・牛乳・小麦”、大人では“さかな・エビ・そば”などが主な原因食物となりますが、バナナやイチゴなどの果物でもアレルギーがおこりジンマシンが出ることもあります。
今回は果物アレルギーについて「食物アレルギー:斉藤博久監修:診断と治療社」から書きます。
 「果物でアレルギーなんて?」と思われるでしょうが、ジンマシンなどの出る即時型(食物をたべて1時間ぐらいまで)の食物アレルギーの5%は果物が原因です。

 果物のなかでは、キウイフルーツ、バナナ、メロン、モモ、ブドウ、リンゴ、サクランボ、イチゴなどがアレルギーをおこしやすい様です。
特に、キウイフルーツ、バナナ、モモはショック症状を起こすことがある果物で注意が必要です。

 果物アレルギーの症状に“口腔アレルギー症候群”があります。
“口腔アレルギー症候群”では、原因となる果物や野菜などを食べた数分以内に「のどがグッとつまる」「ムズズム」「つっぱる」「イガイガ」などの症状があり、それに続いて鼻水、なみだ、おう吐、ジンマシン、さらにひどくなるとショックになる事もあります。
果物を食べて数分以内に症状が出たら要注意、早めに医療機関を受診してください。
(メロンやパイナップルなどの刺激による口腔内の“かゆみ”と勘違いしないように注意する必要もありますが)

 治療は原因果物を食べないことです。
たまごアレルギーや牛乳アレルギーはよくなる事がほとんどですが、果物アレルギーは、大人になっても治らないと思ったほうがいいようです。

 また、果物アレルギーと間違いやすい症状に仮性アレルゲンによる症状があります。
アレルゲンとはアレルギーを起こす原因物質のことですが、果物や野菜の中にアレルギー反応の結果として人間の体の中で産生されるような物質を含んでいるものがあります。
その果物・野菜を食べるとジンマシンなどのアレルギー様の症状が起こります。
このような場合、原因となった果物などを仮性アレルゲンと呼びます。
ホウレンソウ、トマト、タケノコ、サトイモ、キュウリ、そしてキウイフルーツ、バナナなども仮性アレルゲンに関連する物質を含んでいます。

 果物アレルギーは、乳幼児には少ないようですが、「キウイフルーツは給食には出さないほうがいいのではないでしょうか。」が今回の結論です。