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NO.123

咽頭結膜炎(プール熱)とアデノウイルス感染症

平成18年6月

「熱がものすごく高いんですけど、プール熱でしょうか。」
「喉は赤くなっていますね。今、プール熱はものすごく流行っているんですが、B型のインフルエンザも流行っています。
プール熱には特別な治療はありませんし、インフルエンザだったら、タミフルを早く飲んだほうがいいですから、やはりインフルエンザを調べてみましょう。」
「インフルエンザは陰性ですね、やはりプール熱の検査もしましょう。」
という会話が最近はよくあります。

 今、プール熱がものすごく流行っています。そして、インフルエンザもまだあるのです。
6月になろうかとしている時に、インフルエンザとはビックリですが、今回は、プール熱の話です。
 プール熱の本名は“咽頭結膜炎”です。
プールに入る時期に流行り、プールでうつることがあるのでプール熱と呼ばれていますが、プールだけでなく気道分泌液によってどこででもうつります。
 原因は、アデノウイルスです。プール熱の検査とは、綿棒で喉の奥のほうから分泌液を取ってきて、アデノウイルスが居るかを調べることです。
 そして、アデノウイルスには50種類前後の型(血清型)あり、普通の感冒であったり、気管支炎・肺炎・膀胱炎・胃腸炎などの色んな疾患を起こします。
その中の一つが咽頭結膜炎(プール熱)です。
咽頭結膜炎(プール熱)はその名前の通りに、“高い熱・喉の炎症・結膜炎”の症状を伴います。
咽頭結膜炎であると、学校保健法で出席停止となります。
“主要症状が消退した後2日を経過するまで”は出席停止です。
 しかし、高熱が出て、喉が赤く腫れて、検査でアデノウイルスが検出されても、結膜炎が無かったら、つまり、目が赤くなっていなかったら、プール熱ではなく、アデノウイルスによる“咽頭炎”ということになり、出席停止にはなりません。
当然、熱が下がって元気になるまでは、他の病気と同じで、家で静にしておく必要はあります。
 “咽頭結膜炎(プール熱)”も“咽頭炎”も高熱が4〜5日は続きます。
特別な治療法は無く、対症療法のみです。
涼しくしてあげて、水分をしっかり取ってください。
 予防は、何回もしっかりと手洗いをすること、タオルは共用しない、そして、プールの塩素消毒は十分にするなどです。
特に2歳までの子供で肺炎になると重症となりますから、罹っている人を近づけないなどの注意が必要です。