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NO.121食物アレルギー(3)
平成18年 4月
今回も食物アレルギーについてです。(“食物アレルギーの診療ガイドライン”より)
【1】食物経口負荷試験
負荷試験は主に、@病歴より疑わしい食物アレルゲンの確認が必要な場合、A食物アレルゲン特異的IgE抗体陽性(所謂、アレルギーの血液検査で陽性)の未摂取食品による食物アレルギーの確認、Bアレルゲン除去食後の耐性化の確認のために行う。(“ガイドライン”より)
食物アレルギーの原因であるかどうかを確かめる為に、原因と思われる食物を試しに食べてみる検査です(@とAの場合です)。負荷試験はある程度の危険を伴う検査です。そのため、血液検査ではっきりしている場合や、過去にたまたま食べて蕁麻疹などの症状が起こっていたならば、負荷試験はしません。
また、除去していた食物を食べてもいいかを確かめる検査も食物負荷試験です(Bの場合です)。食物アレルギーの場合は0歳の時には食べられなかった食物(卵など)も2歳、3歳になれば食べられるようになることが多いのです。血液検査の結果などを参考にして、検査の時期を決めます。食物アレルギーの原因としてはっきりしている場合には、6ヶ月から18ヶ月除去をして負荷をすることが多いようです。
【食物アレルギーの治療】
原因食物除去(原因食物を摂取しないこと)と薬物療法が基本となります。
原因食物除去は、食べたいものが食べられないという心理的ストレス、特別の食事を作る手間と出費など、多くの負担を患者・家族に負わせることがある。さらに、除去すべき食物が多種類に及ぶ患者に除去のみが指導され、適切な代替食物摂取が指導されない場合など、不適切な原因食物除去は栄養不良や栄養素の偏りなどにより児に害を与える可能性もある。原因食物除去は、その必要性とメリット・デメリットを患者・家族に十分説明し合意を得たうえで、栄養学的な配慮のもとに実施する。・・・同時に、原因食物によっては加熱によりそのアレルゲン性が低下・消失し、摂取可能となる場合があることに留意する。
一般的な調理の工夫
@) 食材は新鮮なものを選ぶ A)十分に加熱する B)食品添加物の少ないものを選ぶ C)食事メニューを工夫する (“ガイドライン”より)
食物除去を含めた食事療法は、くれぐれも自分で判断せずに、医師に相談してください。そして、2歳までの食物アレルギー(特に卵・牛乳・大豆など)は大きくなれば食べれるようになることを忘れないで下さい。
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