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NO.115おしゃぶり
平成17年 10月
“おしゃぶり”に関する論文がありましたので、紹介いたします。雑誌“小児科”の9月号からです。昭和大学歯学部助教授の井上美津先生が書かれています。
1) おしゃぶりの利点と言われていますが?
* 鎮静効果がある ○
「泣きやむ」「寝つきがよい」「機嫌がよくなる」「育児や看護が楽になる」は確かにあるようだ
* 口呼吸を防止して鼻呼吸を促進する △ 明確な根拠はない
*おしゃぶりの使用が指しゃぶりを防止する ×
おしゃぶりも指しゃぶりもする子どもがいる
おしゃぶりを止めたあとに指しゃぶりが始まる子もいる
2) おしゃぶりの欠点と言われていますが?
*不衛生である ○
口の中にカンジダ菌が定着したり、中耳炎が増えるという報告がある
*育児が手抜きになる △
親子の触れ合いの機会が減ることが懸念されるが、おしゃぶりが母子の愛着形成を阻害するとか、言葉の発達を遅らせるという見解には学問的な根拠は示されていない
3) おしゃぶりの歯科的影響
* おしゃぶりの使用は指しゃぶりに比べて長時間になる
指しゃぶり1日平均38分、おしゃぶり112分という報告があります
* 歯並びに影響
おしゃぶりだから、歯並びに影響が無い事にはならない
2年以上、おしゃぶりをしていると約50%の子どもの歯並びが悪くなる
4) 望まれる対応
* どうしても必要な育児用品ではない、無理に与える必要はない
1歳までの指しゃぶりは、手と口の協調運動を促すことになる。また、手や指や周りの玩具などをしゃぶることにより、探索行動を行うなど発達的意義が指しゃぶりにはある。だから、おしゃぶりを与えて指しゃぶりを防ぐ必要はない
* 言葉が話せるようになったら常用は避けるべきである
ホルダーははずしましょう
私の結論 おしゃぶりより、指しゃぶりをさせてあげて下さい。
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