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NO.101

プール熱(咽頭結膜炎)

平成16年 8月

プール熱(咽頭結膜熱)
お母さん:「きのうから急に高い熱が出て、頭をいたがっています。
      1回嘔吐しました。他にあまり症状は無いんですが。
      今、流行っている“プール熱”でしょうか。」
医師:「喉がすごく赤くなっています。“夏かぜ”でしょう。
    頭痛が心配ですけれど、髄膜炎までにはなっていないようですよ。
    嘔吐が激しければ点滴をしましょう。かなり元気になると思います。
    熱は、2日程で下がる事が多いようです。
    プール熱は咽頭結膜熱ともいわれ、喉が赤くなって、眼が赤くなるのです。
    お子さんは、眼が赤くないのでプール熱とは言いにくいです。」

全国的には、プール熱が流行っているようです。
夏にプールの入って眼の結膜からうつる事から“プール熱”と言われますが、プールに入らなくてもうつります。夏に多い病気ですが、1年中あります。高熱が4〜5日続き、喉が痛くなり、眼が赤くなり、頭痛、吐き気や下痢もあるようです。プール熱なら保育園は5〜7日間は休まないといけません。

 プール熱の原因はアデノウイルスです。アデノウイルスには50前後の型があり、“咽頭炎、扁桃炎、気管支炎、肺炎、流行性角結膜炎、プール熱、急性出血性膀胱炎、胃腸炎、虫垂炎、肝炎、髄膜炎”などいろんな病気の原因となります。特に、乳幼児の急性気道感染症(咽頭炎から肺炎まで)の10%前後はアデノウイルスが原因とされています。“はしか”は予防接種があったり、罹っても1回だけですが、アデノウイルスは型が多く何度もかかります。子供には、いやな相手です。

 治療は特異的なのもはなく、対象療法が中心です。高熱、頭痛には解熱剤の投与、眼の症状が強ければ眼科的な治療が必要となる事もあります。

 予防が大事です。普通の環境では長く感染性を失わないようですから、手指やタオルから、そしてプールの水から感染するようです。手を流水と石鹸でよく洗い、タオルの共用はさける、プールのあとはシャワーに十分かかり、眼を洗うようにして下さい。

 はじめのお子さんの様(この場合はプール熱以外のアデノウイルス感染と思いますが)に、津山地域では、まだ(7月)プール熱は多くはないようですが、

全国では、この10年間では一番の流行です。高熱が出て、眼が赤くなれば、要注意、涼しくして、水分を十分に取るようにして下さい。そして、お母さんは手洗いをしっかりして、他に広げないように注意しましょう。