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NO.60

解熱剤

平成13年 3月

 “今日も元気で”も何とか60回目、還暦を迎えることができました。下手な文章と、わかりにくい内容に付き合っていただいてありがとうございました。還暦を迎え、また、一から始まりの気持ちで、今までと重複するテーマもあると思いますが、“今日も元気”の100回を目標に続けさせていただきます。

 今シーズンのインフルエンザは平年の40〜50分の1の流行だそうです。しかし、2月の中旬以降から高熱の続くインフルエンザ様の感冒やインフルエザが流行ってきていますし、嘔吐下痢症も出たり引っ込んだりしています。注意して下さい。今回は解熱剤について書きます。

 41度までの発熱ならば、熱だけで子どもの頭がおかしくなることは、まずありません。そして、熱が高いから病気が重症と言うわけでもありません。熱が余り高くなくても、元気がない、嘔吐する、顔が青白い、何かおかしいいとお母さんが気になる(これが非常に大事です)ときには要注意です。

 しかし、高熱あってもほっときなさいと言うのではありません。子どもが熱で消耗しているならば熱を下げてください。

 まずは、快適な環境をつくることです。熱が上がる時は、手足が冷たくなり、ぶるぶる震えることがあります。この時期は手足を温める事もいいでしょうが、熱が上がってしまったならば、衣服はゆるめに、少し薄着にし、部屋の温度は暑すぎず、特にコタツ等には入れないで下さい。氷枕などは、解熱効果はあまり期待できません。子どもが嫌がったり、睡眠の妨げになるようならばやめてください。

 次は、発熱による脱水を防ぎ、解熱効果のある水分補給です。少しずつ、頻回に飲ませてください。

 最後が解熱剤です。解熱剤で、36度台まで下げようと思わないで下さい。病気の勢いがあるうちは、解熱剤で熱を下げてもまた上がります。上下の差が大きいほど、上がる時の辛さがあるような気がします。また、麻疹ならば1週間は高熱が続きます。解熱剤を使っても麻疹の発熱期間を3日にはできません。薬の量を増やしたり、解熱作用の強い薬にすれば熱は下がるかもしれませんが、副作用も出てきます。高熱による消耗を少し和らげる為の解熱剤と思ってください。41度が38.5度になればいいのです。

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