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NO.53

三太の海水浴

平成12年 8月

 三太クン、生まれて初めて海水浴に行き、生まれて初めて“イヌカキ泳ぎ”をしました。いやがる三太クンを抱っこして、足の届かない所で海に入れてやると、必死に“イヌカキ泳ぎ”で、岸を目ざして泳いでいきました。海から上がったときには、体はイタチのようになってしまい、もう嫌だと地面に這いつくばってしまいました。三太クン、海水浴は嫌いなようです。

 三太クンは、自前の毛皮の服を着ていますから、“暑いところは危険である”と、知っているようです。炎天下の海辺では、日陰を探しては静かにしていました。歩き始めてウロウロとするときはおしっこかウンチでした。

 乳児を抱っこして海水浴に来ている、一家がありました。日陰のあまりない海岸で、赤ちゃんは真っ赤になって、まさに火がついた様に泣いていました。“早く帰らないと”と心配していると、やはり帰っていかれました。生後10ヶ月の三太クンは自分で日陰を探すことが出来ますが、人間の10ヶ月の赤ちゃんにはそんな能力はありません。

 暑い日が続いています。毎年のように、車の中で熱射病で亡くなる赤ちゃんのニュースがあります。獣医の先生の話によると、犬もスーパーの駐車場で死んでしまう事が結構あるそうです。エアコンを付けていても、車のエンジンを切ると、始めは冷たい風が流れてきますが、直ぐにバッテリーが切れてエアコンは止まり、車の中はサウナ風呂です。私も以前に苦い経験があります。10年以上経ちましたが、車のなかで泣いていた子供の顔は忘れられません。

 子供の体の水分の割合は大人の倍近くです。そして、一日の水分の出し入れは大人の3倍、さらに、腎臓の機能は未完成です。このような事から、子供は直ぐに脱水になります。おう吐や下痢、発熱、発汗が原因となります。暑い所に出かけるときには、水分補給も忘れずに。

 その他、日焼けはやけどの一種です。過度に日焼けしないよう、そして、日焼け止めクリームを上手く使ってください。花火でやけどする子供、花火の煙を吸って気管支喘息の発作が起きる子供。むし刺されのあとが“とびひ”になる子供。

 夏の楽しい遊びが、嫌な思い出にならないように、暑い時には無理をしないように、帽子をかぶって、水分を十分に取ってください。

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