NO.47 三太の夜泣き 平成12年 1月 生後1ヶ月、体重約3kgの小犬が我が家にやってきました。ダンボールの箱から出てきた小犬は、三太と名をつけられ、寂しそうに、犬小屋に自分で入っていきました。ペットショップの主人は、「しばらくは、夜は必ず泣きますから、ほっといて下さい。かわいそうだと思って、相手をしてはだめです。情けは無用です。そのうち泣かなくなります。」と非情なアドバイスをしてくれました。屋外犬なのですが、まだ小さいので凍えたらまずいと玄関で寝かせました。案の定、一日目は、三太は家中に響く悲しそうな声で泣き、犬小屋を手足でカタカタし、こんな事では夜中に泣きすぎて消耗しきってしまうのではないかと、泣き声のうるささと心配でこちらが消耗してしまいした。翌朝、三太は夜中は何も無かったように結構元気です。二日目からは、泣き声のなるべく聞こえない所で寝かせることとしました。泣き声は少しは聞こえましたが、こちらはユックリと出来ました。そして、数日すると、ペットショップの主人の非情なアドバイスの通りに、三太の夜泣きは治まってしまいました。 “赤ちゃんの夜泣きには、いろんな原因があり、その原因を除いてやりましょう。ひどければ病院にいって眠れる薬をもらって下さい。”が赤ちゃんの夜泣きに対する一般的な小児科医のアドバイスですが、薬を飲んでも、なかなか治まらず、家族中を悩ますのが夜泣きです。ペットショップの主人のような、小犬に対しては的確であるが、ちょっと非情なアドバイスをしている本があるか、手元の本を調べてみました。 まず、夜泣きの原因について、大きな騒音、発熱、空腹、のどの渇き、オムツが汚れた、暑さ、寒さ、疲労状態、就寝前の興奮、家庭内の不幸、神経質な子ども、抱きぐせ、過保護、環境の変化、不安、寄生虫(ぎょう虫症)、湿疹、中耳炎、昼間の運動不足などです。 原因が分かれば半分は治ったと考えてよいのですが、実際には、いろいろしても効果のない夜泣きがほとんどです。それではどうするか、かるく背中をさする、子守り歌をきかせる、抱っこしてやる、昼間に十分運動をする、医者に鎮静剤や抗不安をもらうなどです。 そして、多くの本の最後にはペットショップの主人のアドバイスと同じようなことがしっかりと載っているのです。 “ 親が我慢できるていどならば、気にしなければよい。たかが夜泣きくらいで、両親が疲れはててしまうことはない。あきらめて赤ちゃんにつきあう、あるいは居直って無視する。夜泣きは一生つづくものではない。”などです。 夜泣きの原因がはっきりしないときには、あきらめて赤ちゃんに数日間は泣いてもらってみて下さい。 |