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NO.44

インフルエンザと風疹

平成11年 10月

 朝の涼しさに秋を感じるようになりました。運動会、秋祭りと行事が続きますが、その後は“インフルエンザ”の季節となります。

 毎年のようにこの時期になるとインフルエンザを取り上げているような気がします。百数十人の乳幼児が、そして、もっと多くの抵抗力の無い老人がインフルエンザで亡くなっています。インフルエンザは恐い病気なのです。例年より1〜2ヶ月早くインフルエンザを取り上げます。それは、11月になればインフルエンザの予防接種を考えて欲しいからです。また、治療法もかなり変ってきました。そして、予防接種といえば、風疹に関しても一言。

1)インフルエンザ

 インフルエンザの予防接種、特にその効果については議論があり、任意接種となっていますが、 副作用と効果を考えると効果のほうが勝っていると思います。特に、抵抗力の落ちた老人には予防接種が良いと思います。

 また、インフルエンザに対する特効薬は無いとされていましたが、昨年ごろより、以前は神経の病気で使われていた薬がインフルエンザに使用され確実に効果を上げています。発熱の期間が短くなり入学試験を無事に受けることが出来た等と雑誌に載っています。しかし、A型インフルエンザにしか効かないので、熱の原因がA型インフルエンザであるとの検査が必要です。残念ながら、この検査が、まだ保険を通っていないので検査料が自費となります。この冬にでも保険適応となれば良いのですが。

 抵抗力の無い老人と幼児は予防接種を考えて下さい。そして、インフルエンザに罹ってしまったら、検査を受けて薬を飲むと少しは熱が早く下がると思います。

2)風疹

 先天性風疹症候群とは、お母さんが妊娠中の早い時期に風疹に罹ると、赤ちゃんが心臓の奇形や難聴などの病気になる事を言います。1977年から先天性風疹症候群の防止を主目的に中学生女子を対象に風疹ワクチンの集団接種を行ってきました。そして、接種率は70%前後でありました。それが、1994年より個別接種となり、学校でなく自分で病院へ行って予防接種を受けるようになりました。そうすると、一気に接種率が下がり10%前後となっています。これは大変な事です。本当に本当に大変なのです。風疹に対して抵抗力の無い妊婦さんがドンドン出てきます。妊娠中は風疹に罹ってはいけません。ストレスの多い妊婦さんにストレスがもう一つ増えます。これまでの貴重な経験から、中学生女子に風疹ワクチンを行ってきたのです。どうか中学生の女子が近くにいたら風疹の予防接種を受けるように勧めて下さい。中学を卒業すると自費になりますが、卒業生で予防を受けていない女性にも是非ともアドバイスして上げて下さい。お願いします。

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