NO.23 インフルエンザ 平成10年 1月 エルニーニョ現象か、二酸化炭素による地球の温暖化のためでしょうか、ずいぶんと暖かい冬になりました。冬が暖かいと、コート・暖房器具は売れなくなり、スキー場は暇になり、正月気分もなんとなく盛り上がらなく、ますます不況に拍車がかかりそうです。やはり、冬は冬らしく”キリッ”となってほしいものです。しかし、冬の病気であるインフルエンザだけは、気象に関係なく流行ってきました。 今年の、インフルエンザの流行は小さな子ども、特に1歳から3歳ぐらの子どもから始まっているようです。急に高熱がでて、グッタリしてきげんが悪くなり、嘔吐もします。高熱で顔が赤くなり、”フーフ−”言って、本当にえらそうです。次に、咳がつよくなり、気管支炎の合併も多いようです。高熱は、一週間近くつづく事もあり、なかなか手ごわいインフルエンザです。家族内でひろがることが多く、お母さんが子どもからもらうこともあります。子どもは、熱が出れば寝ておけばいいのですが、お母さんがかかると大変です。倒れるようにして子どもを小児科に連れて行かなければなりません。悲惨な状態になります、くれぐれもご注意下さい。 インフルエンザは、ウイルスですから、インフルエンザをやっつける薬は、現在の医学では発見されていません。高熱がでれば、冷やしてやり、解熱剤を使い、水分を十分にあげて下さい。熱の出ているときに栄養は特にとる必要はなく、食べ過ぎるとかえって身体に負担となります。水分と、あとはプリンとかゼリーのようなものがいいようです。 抵抗力の無い子どもや老人、そして、若い人でも体力の弱っている方には、気管支炎、肺炎や中耳炎などの合併症が起こることがあります。これらの合併症はインフルエンザウイルスではなく、細菌感染によることがほとんどです。そのため、合併症の予防、治療に細菌を殺す抗生物質を服薬する必要があります。 インフルエンザワクチンの効果は60〜80%と言われています。はしかワクチンの効果(98%前後)と比較すると効きが悪く、副作用との兼ね合いもあり、現在は任意接種のワクチンとなっています。しかし、インフルエンザの予防法はワクチンしかなく、受験があるなど、この冬はどうしても熱を出してはいけない時には、ワクチン接種も考慮して下さい。その他の予防法は、うがい、手洗い、人込みをさける、熱が出たら早めに無理をしないで休む、そして、他人にうつさない,うつされないです。 暖かい冬です。長野オリンピックの雪も心配されています。子どもは、眠って体力の回復ができますが、大人は年末年始とそうは出来ない時期です。子どもにインフルエンザをうつさない為にも、十分な睡眠をとってインフルエンザにかからないようにして下さい。 |