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NO.17

アトピー性皮膚炎 V スキンケアー

平成9年 7月

 アトピー性皮膚炎とダニに関しては前回まで出てきましたので詳しいことは省略します。2才を過ぎると、アトピー性皮膚炎の子供は、気管支喘息の子供達と同じようにダニに対するアレルギーを持っています。そして、最近ではダニとならんでカビもいろんなアレルギーの原因になるとされています。しっかり掃除機をかけて、窓を開けて換気をして湿気を防ぎ、カビがでたら”カビキラー”でカビを退治して下さい。お母さんは大変です。

 今回は、アトピー性皮膚炎の治療で最も大切な”スキンケア”について書きます。

 アトピー性皮膚炎の皮膚は乾燥しカサカサしているため、細菌やダニの死骸やフンなどの物質が入りやすくなっています。これが、”かゆみ”の原因となり、アトピー性皮膚炎の増悪因子です。皮膚を清潔にし乾燥・カサカサをふせぐのが”スキンケア”です。

 お風呂

 皮膚を清潔にするのがお風呂です。お風呂には毎日入って下さい。”かゆみ”はあたたまるとひどくなりますから、お湯の温度は少しぬるく(38度〜39度)して、風呂上がりに体が温まる働きの強い入浴剤はやめましょう。

 石鹸は、きれいにするからと洗浄力のつよい石鹸や、ボデイソウプはよくありません。良質な石鹸であれば普通のものでいいのですが、皮膚炎が頑固なときに低刺激性の石鹸を使いビックリするほどによくなった子供もいました。また、どんな石鹸でもかぶれてしまうこともあるようです。しかし、多くの場合は、普通の石鹸で十分です。

 ナイロンタオルやスポンジなども使わないで下さい。とくに、乳児から2才までのアトピー性皮膚炎の子供では、手に石鹸をつけてやさしくすみずみまで洗い、そして、石鹸が残らないように十分にすすいで下さい。

 風呂上がりには、塗り薬や保湿クリームを塗る事を忘れないで下さい。天花粉は必要ありません。

 オネショのあとは、かわいていても、シャワーを浴びさせるか、タオルでふいて下さい。

 プールの水は刺激が強く、プールがはじまると皮膚炎が悪化する事があります。プールの後はシャワーにしっかりかかり、塗り薬などを塗って下さい。

 砂場遊びのあとは、手やひざは特に汚れています。

 ”スキンケア”は、皮膚を清潔にして、塗り薬をうまく使う事です。これだけで、アトピー性皮膚炎の多くは良くなります。

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