NO.12 生活習慣病 平成9年 2月 生活習慣病という病名をご存知でしょうか。以前は心臓病、脳卒中、がんなどのを成人病と呼んでいましたが、最近では生活習慣病と言うようになりました。 成人病と言えば大人の病気と思われるでしょうが、その原因は子供のころからあり、特に最近の子供たちの生活習慣の変化が、多くの子供を成人病予備軍にしているのです。子供の時から生活習慣に気を付け成人病の予防をしようということで生活習慣病という病名が生まれました。 アメリカの国民病といえば高脂血症、動脈硬化による心臓の病気でした。そして、朝鮮戦争、ベトナム戦争で戦死した若者の血管を調べてみると外見上は健康そのものであった兵士達にも動脈硬化の変化が多くありました。その後、アメリカ人は若い時期からの成人病の予防、特に食習慣の改善につとめ、”一日一個以上のタマゴはたべない”とか魚料理が主体の”日本食ブーム”が始りました。 一方、日本ではアメリカから輸入された外食産業に目をひかれ、子供たちの食習慣はアメリカ型となりつつあります。ビックリした事に一部の都市に住む子供のコレステロールの平均はアメリカの子供たちより高くなっています。 グリーンランドエスキモー人には動脈硬化が非常に少なく心臓の病気もまれであります。しかし、同じ人種であるデンマーク人には心臓の病気による死亡が多いのです。エスキモー人は魚は食べるのですが、牛・豚などの肉食はあまりしません。逆に、デンマーク人は魚はあまり食べないのです。同じ人種でありながら、子供のころからの食習慣の違いで大人になってからの健康状態が全く違うのです。このエスキモー人の研究から、魚の油からとれた動脈硬化の治療薬が開発され、広く使用されています。また、この薬は皮膚がカサカサとなるアトピー性皮膚炎にも効果があるといわれています。 ハンバーガー、フライドチキンを食べる事は精神的な健康面ではプラスの事もあり、強く・大きくなる子供たちには必要な栄養であります。しかし、最近では魚料理が少なく、魚ぎらい、食べれない、食べ方が分からない子供が多くなっているのではないでしょうか。日本型の先の細くなった箸を使い魚を上手に食べれるようになると、手先も器用になります。子供たちのコレステロールを上げないために、成人病予備軍にしないために食習慣を考えて下さい。そして、子供の皮膚がカサカサしていたら、魚が足りないのかもしれません。 |