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NO.11

プカプカ

平成9年 1月

 先日、NHKで”懐かしのフォーク大全集?”を放映していました。久しぶりに山崎ハコさんの姿を見て、歌を聞きました。”本当にフォークソングは一字一句に詩があり心があり感動がある。それにひきかえ、今の歌はテンポは早い、何を言っているのかよう分からん。とても、カラオケでは歌えん。”と20年昔の事を思い出しながら聞いていました。その中で”プカプカ”という、タバコを美味しそうに吸う女性の歌がありました。

 今回はタバコの”罪”について書きます。実は、タバコを吸う本人への健康被害が一番重大なのですが、これは本人の責任です。吸わない子供たちには責任はありません。タバコを絶対に止められない方、タバコの事ですでに争いになっている方はここで読むのを止めて下さい。

 これからがタバコの”罪”です。

1)妊娠中に喫煙すると未熟児(低出生体重児)が生まれます。

2)ニコチンは母乳の分泌を減らします。

3)妊娠中に喫煙した母親の子供は、16歳の時点で、体がより小さく、学校での成績がより悪く、病気にかかりやすく、入院が多く、死亡率も高いといわれています。

4)授乳中の女性が喫煙すると、母乳、子供の尿、唾液からニコチンが大量検出されました。

5)受動的な喫煙で、喘鳴、運動時の呼吸困難、扁桃腺摘出の頻度が高くなり、気管支癌の危険が喫煙者自信より大きくなります。

6)両親が喫煙をすると、子供の血中の鉛の量が増えます。血中の鉛が多いと、学校の成績が悪くなり、非行も多いといわれています。

7)家庭内にタバコを吸う者が多くなると、早くに気管支喘息になり、喘息発作は治りにくく、発作の回数も増えます。

8)夫が喫煙をしていると、妻は1.2倍ほど心血管の病気になりやすくなります。

9)両親、兄弟、友達、教師の手本が喫煙の原因になります。

10)一日に一箱のタバコを吸うと、1年に約10万円、10年に100万円が煙になります。また、病気に罹り医療費も増えます。

 ”タバコの煙”は歌の題材となる以外には良い事をしません。どうか、子供の為に禁煙を考えて下さい。

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