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NO.6

不慮の事故

平成8年 8月

 ”第3位・第1位・第1位・第1位・第1位 ”

 オリンピックの成績でもなければ、もちろん”阪神タイガーズ”の順位でもありません。

 これは、子供の死亡原因のなかで”不慮の事故”がしめる順位です。0歳のときは第3位ですが、その後はずっと1位です。今の日本で子供が病気でなくなるのは珍しい事です。その中では”子どもの癌”が最も多くなっています。癌の原因は不明であり、子供を癌にするのは神様のいたずらであり人間にはどうしようもありません。しかし、”不慮の事故”の多くは人間が防ぐことができるものであり、子供を事故なんかで亡くしてはいけません。

  真夏になりました。大人は陽射しを見ただけでクラクラしそうですが、子供は汗をきかながら外をかけまわり、水遊びも大好きです。危険がいっぱいです。ところで、”不慮の事故死”の年齢別の原因をみてみますと、0歳では”窒息死”、1歳では”溺死および溺水”でありその後は”交通事故”です。大きな事故にいたらなくても小さな事故となる原因のいっぱいの季節です。子供に冒険は必要であり、過保護になるのはいけませんが、明らかな危険は親が防がないと行けません。

  ”やけど”

 花火を投げさせない。花火をポケットに入れさせない。親が点火する。小さな子供には遊ばせない。うまく点火しない花火を再点火しない。線香花火の消えかけの炎が足に落ちてやけどした子供がいました。気をつけてください。花火に限らず”やけど”したときは冷やす事です。ナイロンの袋に氷と水を入れて、少なくとも1時間は、出来れば5時間から6時間は冷やしてください。アロエは効きません。水泡が出来れば病院を受診して下さい。

 ”家庭での溺水と水泳”

 1歳での事故の原因の1位は溺水です。その多くは家庭で起こっています。風呂の中で1人にしないで下さい。風呂の中にいるときに,電話や玄関のベルが鳴ったときには風呂から子供を出して下さい。洗濯のためい残している風呂の残りの水は危険です。そして、洗濯をしている時は危険です。水の入ったバケツを床におかないで下さい。1人で水泳をさせないで下さい。長く歩いたりして疲れているときや、食事の直後には泳がせないでください。穴のあいた浮き輪は危険です。

 たくさん遊んで、いろんな経験と冒険をさせてやりたい季節ですが事故には気をつけてください。

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