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NO. 166

下痢の時の食事

平成22年 2月

 インフルエンザの流行中には静かにしていた嘔吐下痢症が出てきました。これからは、嘔吐下痢症の季節となりそうですが、インフルエンザも、「まだまだ、こんなものではない、ガンバルゾ!!」と思っているでしょう。今回は、嘔吐下痢症のときの食事について書こうと思います。

 嘔吐下痢症の発症は、急な嘔吐から始まります。嘔吐が激しく、ぐったりして、口から水分も入らない時には点滴などの治療が必要です。

  しかし、多くの場合には、嘔吐は半日ぐらいでおさまり、次は下痢がはじまります。下痢は1日に10回以上となり、お尻もかぶれて、「お尻が半日で真っ赤」になることもあります。

  下痢に対して、以前は絶食がよいとされていましたが、最近では、早期の食事の開始がよいとされています。炭水化物とタンパクの食事では、とうもろこし、小麦、きび、米(おこめ)などが試された結果、米が最も良いことわかっています。また、水分の補給は経口補水液(薬局で販売しているアクアライトORS・OS−1などのイオン飲料水で、スポーツドリンクではありません)が一番です。また、家庭でも経口補水液を作ることができます。

  家庭での経口補水液の作り方としては、【水1000ml、塩2g(小さじ半分弱)、砂糖40g(大さじ4杯と小さじ1杯)、レモン汁(カリウムの補給で必要です)】となります。一度、試してください。

  結局、下痢の時の基本は経口補水液と、早い時期からのお米による食事の開始となります。原則は少量から、頻回の投与です。そして、日本では、幸いなことに、米も経口補水液も比較的簡単に手に入れることができます。

  人工乳では、下痢用のミルクは必要なし、ミルクを薄める必要はなしです。母乳栄誉の場合は母乳をしっかり続けてください。

  その他、消化の良いものとして、白パンのトースト、うどん、脂肪の少ない魚(たい、かれい、あじ)、とうふ(みそ汁)、きな粉、卵、やわらかく煮た野菜(にんじん、大根、ほうれん草、キャベツ)、野菜スープ、バナナ、リンゴ(すりおろし)、白桃、薄い紅茶、麦茶、カスタードプリン、ぼうろ、アイスクリーム、カステラなど。

 消化の悪いものは、赤飯、ラーメン、脂肪の多い魚(まぐろ、いわし、さば)あずき、大豆、繊維の多い野菜(たけのこ、ごぼう、ふき)、海草類、ミカン、なし、イチゴ、コーラ、サイダー、コーヒー、ドーナツ、かりんとう、せんべいなどです。

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