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NO.150

蒙古斑(もうこはん)

平成20年 10月

 今回は、からだのいろんな所にできる色素沈着や血管腫について書きます

1) 蒙古斑
   日本人などの黄色人種のおしりのあたりにできる青色の班です。しばらくは大きくなり、数も増えますが、5〜10歳ごろには消えます。おしり以外に、手足や腹部などにも見られることがあり異所性蒙古斑と呼ばれますが、これもほとんどは消えてなくなります。しかし、顔面ある場合には消えなくて、他の病気のことがあり、要注意です。また、同じ青色でも、大きさが1cmぐらいまでで、盛り上がっている場合には(青色母斑と呼ばれます)、切除などの治療が必要です。
2) 扁平母斑
   茶色の斑です。盛り上がりが無く、カフェオレをこぼした様な色で、カフェオレ斑とも呼ばれます。消えることはまずありません。体のどこにでも出来ます。ほとんどの場合は心配ないのですが、5〜6個以上ある場合には他の病気がひそんでいる可能性があります。
3) 血管腫
   血管が拡張したり、血管の細胞が増殖した状態です。赤色の斑です。自然に消失するものや治療が必要なものがあります。
  @ 正中部母斑(サーモンパッチ)
     上のまぶたや額の中央部分にできる魚のサケの様な色(サーモンパッチと呼ばれます)で盛り上がりのない血管腫です。自然に消失します。項部(うしろ頭の髪の毛の生え際です)にあるものはウンナ母斑と呼ばれますが消えないものもあります。
  A 単純性血管腫(ポートワイン母斑)
     正中部母斑(サーモンパッチ)以外のところにできる盛り上がりのない赤い斑です。赤ワインをこぼした様な色なので、ポートワイン母斑とも呼ばれます。生まれた時からあり、消えることはありませんから、場所によってはレーザー光線などで治療することもあります。特に、顔にできている場合には、緑内障という目の病気を合併していることがあり、緊急の手術となることもあります。
  B イチゴ状血管腫
     血管の細胞が増殖したものです。生まれた時には無くて(これが大事なところです)、しばらくして出てきます。小さな赤い斑から、だんだん大きく隆起して、イチゴの様になります。どこにでも出来ます。まぶたの所にできて目を塞ぐ様になると視力に影響しますから、積極的な治療が必要ですが、多くの場合には無治療で、5〜6年で消えていきます。

 以上のように、斑点には、自然に消失するものや、他の病気が潜んでいることなど様々です。一度は、医療機関への受診が必要です。

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