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NO.61

解熱剤 U

平成13年 4月

インフルエンザの季節は過ぎたのでしょうが、どうも、高熱と咳が続き、気管支炎になる感染症があるようで、子供も家族も医者も悩ましています。また、熱が出て、小さなブツブツのでる扁桃腺炎である溶連菌感染症も流行っているようです。こちらは、薬をしっかり飲めば、熱は直ぐに下がりますが、腎炎などの合併症がある病気です。元気であっても、薬を2週間近くは飲まないといけません。

 今回はもう一度、解熱剤について書いてみます。

 解熱剤には、注射、粉薬、シロップ、坐薬、錠剤などがありますが、最近の小児科医は特別のとき以外には注射の解熱剤は投与しないと思います。

 また、「解熱剤はありますか?」、「はい、冷えぴたシートはあります」ということがよくありますが、“冷えぴたシート”で子供は気分がよくなり安心することがあるかもしれませんが、解熱作用は期待しないで下さい。

 シロップは処方されて2週間程度、粉薬は湿気たりしていなければ半年は使えると思います。坐薬は製造されて3年間ぐらいの使用期限のようですが、やはり、1年以上前のものは捨ててください。また、子供の体重はどんどん増えていきますから、あまり昔のものでは効果が十分でないこともあります。

 いろんな系統の解熱剤がありますが、副作用の少ない解熱剤として日本で一番につかわれているのがアセトアミノフェンです。坐薬、粉薬、シロップの剤型があります。病医院では、“カロナール、アルピニー、アンヒバ”などの薬名で処方されます。薬局では、飲み薬として“新小児用イソミド、小児用バファリン、こどもパブロンかぜ・ねつ液”、坐薬として“アニルーメS、アルピニーA坐薬、こどもパブロン坐薬”などの名で売られています。最近では、薬局でもらう子供用の解熱剤は、まず、アセトアミノフェンだと思います。

 38.5度を超えたら、そして、熱性ケイレンを起こしやすい子供は、38度を超えたら、解熱剤の使用を考えてください。熱が高くても、機嫌が良かったり、ぐっすりと眠っているときんは、涼しくしてやって様子を見てください。

 逆に、熱が高くて機嫌が悪く、消耗しているときには、4〜5時間間隔でも解熱剤を使用してもいいと思います。最近は解熱剤の副作用に敏感になりすぎて、解熱剤の使用をためらいすぎるお母さんが増えているような気がします。熱でひどく消耗して、水分も取れなくなると脱水になってしまいますから、熱を下げてあげて、その間に水分を取ることも重要です。

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