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NO.56

三太の穴掘り

平成12年 11月

 裏の畑でなく、“花咲か爺さん”のポチではありませんが、我が家の三太クンは穴掘りが大好きです。土の上で一人にしておくと、穴掘りを始めます。一旦始めると、一心不乱に掘りつづけて30cm近くも掘ることがあります。これは、三太クンの悪い癖ですが、コンクリート上のつないでおけば、防ぐことができます。一方、人間の子供の癖で、お母さん達を悩ますのに、指しゃぶりとチックがあります。どちらも、期間の長い短いはありますが、多くの場合は、そのうちに消えてなくなります。しかし、お母さんとしては、一日も早くやめて欲しいと思うものです。

【指しゃぶり】 赤ちゃんは、お母さんのお腹の中で指しゃぶりを始めていて、生まれたときに手首や指に水疱ができている事があります。その後は、何でも口に入れては、その物を調べているのです。指しゃぶりがピークに達するのは、3歳ごろで、3人に1人は指しゃぶりを経験します。サルの赤ちゃんも指をしゃぶります。

 指しゃぶりをすると歯並びが悪くなると心配になりますが、3歳半ごろまでは、乳歯が一時的に噛み合わない状態になっても、永久歯に交換すると正常な歯並びになることが多いようです。しかし、4歳になっても指しゃぶりを続けていると永久歯に影響を与えるようです。

 原因には、不安、嫉妬、退屈、眠気などがあるようですが、原因がはっきりしていれば、取り除く努力が必要でしょうが、指しゃぶりそのものをやめさせる努力はよくありません。いつも、叱ったり、小言を言うことになり、逆効果です。

4歳を過ぎたら、赤ちゃんの癖であると言い聞かせ、それでもだめなら、あきらめて6歳までまってください。6歳になれば治るようです。

【チック】 チックとは、目をパチパチさせたり、口をモグモグしたり、額にしわを寄せたり、肩をすぼめたり、咳払いをしたり、頭を振ったり、手足を曲げたりする動作が出てしまうことを言います。

 5〜7歳に発症することが多く、男児によくみられ、軽症を含めると10%の子供にあります。

 体質的にチックを起こしやすい子供がいるようですが、その体質に不安や緊張が加わるとチックを発症します。指しゃぶりに対してと同じように、チック症状を止める努力は、事態を一層悪化する事があります。チック症状は完全に無視して、不安や緊張をきたす原因がないか考えて下さい。そして、睡眠などの生活リズムにも気をつけ下さい。チックも指しゃぶりと同様、そのうち無くなります。

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